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テック 2018.09.19

VRヘッドセットの高精細化目指し 要素技術の開発進む

VRヘッドセットの解像度をさらに高める高精細化について、要素技術に関する情報が徐々に明らかになっています。

ディスプレイ向けの電子部品を手掛ける米国のSynaptics社は、新たなドライバーICを発表しました。VRヘッドセット向けディスプレイの高精細化を助け、視線追跡と組み合わせた新たなレンダリングを実現するとしています。

1000ppiのディスプレイを目指す

ディスプレイ向けのドライバーICは画像処理を行っており、GPUの重要な構成部品です。Synaptics社は、ClearViewのブランドでドライバーICを開発しています。

今回発表したClearView R63455は、VRヘッドセット向けに最適化されているとのこと。実現可能なディスプレイ解像度は2,160×2,400、リフレッシュレート90Hzで、同社は「業界初」を謳っています。高精細化で目指すのは1000ppiです。

またSynapticsによればこのICは”Foveal Transport”という特徴を持ち、アイトラッキングを行いながら、フォービエイテッド・レンダリング(Foveated Rendering)で高画質を実現するということです。

※フォービエイテッド・レンダリング(Foveated Rendering)
視野の中心ほど高画質で、外側に行くにしたがって低画質で描画する手法。高解像度のレンダリングを必要十分な領域にとどめることで、PCにかかる描画処理の負担を大幅に軽減することができる。

VirtualLinkにも対応可能?

さらに同社のVRブリッジVXR7200と併用することで、USB Type-Cコネクタによる接続が可能になります。SynapticsはVRデバイス・PCの接続規格「VirtualLink」には言及していませんが、技術的には対応が可能と見られます。

R63455は、現在顧客向けサンプルの出荷中です。

ディスプレイの高精細化とそのディスプレイ向けに映像を出力するGPU、双方が揃わないとVRの高精細化は進みません。VR向けディスプレイの高精細化を巡っては、ジャパンディスプレイが1001ppi液晶ディスプレイを発表しているほか、グーグルとLGも、1443ppiの有機ELに関する論文を公開しています。

(参考)Road to VR
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