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統計・データ 2020.11.02

最新のXR市場予測レポートが発表、PC向けVRゲームの市場規模は倍以上に

ゲーム業界のリサーチ会社Superdataは、2020年第3四半期時点のXR市場予測を発表しました。前回7月の予測からは微減、2020年の投資額は前年比でマイナスです。一方で、ゲーム市場の急拡大や、XRによる業務支援への期待も見られます。

好調続くQuest、ARグラスの普及は?

まずはデバイスの売上について見てみましょう。第3四半期に最も売れたヘッドセットは、フェイスブックのOculus Quest(Quest 2ではなく初代Quest)でした。SuperDataによれば、販売台数は約16万1,000台。さらにレポートは、供給がボトルネックであり、在庫が十分であれば販売台数を伸ばしていた可能性を指摘します。これは、フェイスブックがQuest 2のリリースに向け、オリジナルのQuestの供給を抑制していたことが背景のようです。

第4四半期に向けた展望としては、従来モデルと比較した価格ダウン、ホリデーシーズンといった複数の要素から、Oculus Quest 2の売上が劇的に伸びると見て間違いなさそうです。フェイスブックがPC向けVRヘッドセット、Oculus Rift Sの2021年での販売終了を発表したことも、この傾向に拍車をかけるでしょう。

供給の遅れが販売の伸びを阻害したケースは、もう1例あります。ValveのPC向けVRヘッドセット、VALVE INDEXです。INDEXの第3四半期販売台数は5万6,000台でしたが、2020年初旬から入荷即完売が続いていました。11月現在も、地域によっては2か月以上の入荷待ちが発生しています。

一方、コンシューマー向けの拡大が期待されるAR/MRヘッドセットはどうでしょうか。フェイスブックがレイバンとコラボしたスマートグラスを発表したり、アップルのARグラス開発を巡る噂が続いたりと、この分野への関心は高まっています。レポートでは、一般消費者に広くデバイスが普及するのは、早くとも2023年と見ています。そして2022年末までは、AR/MRデバイス市場の7割を占めるのはエンタープライズ用途になることを予測しています。

VRゲームの売上は昨年比2倍以上に

コンテンツに関しては、前年からの大きな伸長がありました。PC向けVRゲームの売上は、2019年の8,610万ドルから1億8,900万ドルと119%もの増加を示しています。レポートでは、「Half-Life: Alyx」をはじめとするメジャータイトルのリリースが背景にあると指摘。同作品の売上は、2019年のPC向けVRゲーム販売総額を上回ると述べています。

投資額はやや減少も、前回から上方修正

企業の投資動向では、2020年におけるVR/AR関連企業への投資額は9億5,100万ドルと予測しています。これは前年の投資総額、10億ドルと比較するとやや減少しています。しかしSuperDataは、前回予想額8億3,000万ドルからは上方修正を行いました。これは、新型コロナウイルスの影響でリモートワークが続く中、個人向け・企業向け双方でのXR活用が注目されていることが理由です。

第3四半期の大型資金調達としては、超高解像度VR/ARヘッドセット開発のVarjo(5,400万ドル)MRデバイス開発のNreal(4,000万ドル)が挙げられます。

SuperDataの前回レポートや、その他の機関の調査レポートはこちらで紹介しています。

(参考)SuperData


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