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業界動向 2018.10.05

VRトレーニングのSTRIVR、1,600万ドル資金調達 大企業の導入増やす

VRを利用したトレーニングシステムを開発するSTRIVRは、シリーズAラウンドで1,600万ドル(約17.6億円)の資金調達を行ったことを発表しました。企業向けの事業を進め、VRトレーニングの提供先をFortune 1000社に拡大するとしています。

スポーツ業界から企業向けVRトレーニング提供へ拡大

STRIVRは、アメリカのスキー&スノーボード全国団体のハイパフォーマンス部門と提携して平昌オリンピック向けのトレーニングシステムを開発するなど、スポーツ業界に向けた体感型学習システムの提供を行っています。

また、スポーツ分野以外にもその提供を広げており、最近では小売大手のウォルマートとも提携。17,000台のOculus Goを使った同社の従業員トレーニングにコンテンツを提供しています。

今回の投資を経て、リードインベスターのGreatPoint Ventures(GPV)のマネージング・パートナーを取締役会に迎えます。ボードメンバーに加わるGPVのRay Lane氏は、「アセットパフォーマンス管理とデータ予測分析へと急速にシフトしていく世の中では、時代遅れのトレーニングや開発ツールを用いている人的資源は忘れ去られていきます」と話しています。そして、「STRIVRはウォルマートのような企業に対して、VRを使いリアルで没入感の高い体験を提供しています。これは従業員を実際の就業環境に置き、従業員らの能力開発とその維持を促進するものです」とVRトレーニングの意義を語りました。

導入済み企業では9割近くが「よく身についた」

VRトレーニングを導入する企業は急速に増加しており、ジェットブルー航空、Fidelity、タイソン・フーズ、ユナイテッド・レンタルズといった企業がSTRIVRと提携しています。
そして早くもその効果は出ています。例えばタイソン・フーズでは一般的な安全教育にVRを導入しました。その結果、前年比で20%も怪我が減少。VRトレーニングでの学習者の89%が、これまでよりもよく身についたと回答しました。

STRIVRのCEO、Derek Belch氏は今回の資金調達について「(GPVの)Ray氏とそのチームは、当社が企業向けの分野に事業を拡大するに際して、豊富な知識と経験でサポートしてくれます。当社は、教育やトレーニングを新たなステージに持っていくことで、顧客企業の助けになりたいと考えています」と話しました。

STRIVRはニューヨーク、シアトル、ナッシュビルに新たなオフィスを開設。増加する顧客をサポートしていきます。

VR/ARを用いたトレーニングは注目を集めており、他にも資金調達に成功する企業が多く出ています。

(参考)STRIVR


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