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統計・データ 2019.03.05

SteamのVRユーザー、RiftとWinMRがシェアを伸ばす

ゲーム販売プラットフォームSteamは、2019年2月までのハードウェア利用状況を発表しました。Oculus RiftとWindows Mixed Realityヘッドセット(MRヘッドセット)が利用割合を伸ばす一方で、HTC VIVEとVIVE Proがシェアを落とす傾向が続いています。

Steamの利用割合調査とは

Steamでは毎月ユーザーへの調査を行い、ゲームを遊んでいるPCのグラフィックボードなどのハードウェア、またOSなどのソフトウェアに関する統計を発表しています。なお調査はSteamでの利用に限るもので、かつSteamユーザーも任意で参加しています。各プラットフォームの公式ストアでの利用数も含まれていないため、市場全体のシェア率を直接推定するには不十分なことに注意が必要です。

Rift、Windows MRは伸長

前月の調査でVRヘッドセットを利用する人の割合が過去最高の伸長を見せたのに対し、2月は0.02ポイント低下して0.89%となっています。また、ヘッドセット別の利用割合を見ると、Oculus RiftとWindowsMRヘッドセットがシェアを伸ばしています。

特にOculus Riftの伸びは3ヶ月連続となり、過去最高を記録した2018年3月に次ぐ48.21%(前月比1.18ポイント増)です。この傾向には、1月に行った定価引き下げが寄与していると考えられます。米国では399ドルから349ドル、日本では50,000円から45,000円へと値下げが実施されました。

一方WindowsMRヘッドセットの利用割合伸長は10ヶ月連続。2月は過去最高である9.96%(前月比1.02ポイント増)となりました。こちらも、米国のAmazonで継続的な値下げが実施されたことが要因の1つと考えられます。

VIVEのシェア続落要因は?

一方で利用割合を落としているのがHTCのVIVEとその上位モデルVIVE Proです。前者のシェアは39.36%(前月比1.26ポイント減)、後者が1.82%(前月比0.78ポイント減)となりました。HTCのデバイストータルでは41.18%。前年同月の45.38%から4ポイント以上低下しています。

背景を探ると、まずVIVEは他のヘッドセットと比較しセールの頻度が低くなっています。2018年のクリスマスシーズン、公式なVIVEの値下げは一切行われませんでした。VIVEの米ドル定価はOculus Riftと比較して150ドル高い500ドルです。
VIVE Proに関してはヘッドセット単体でも800ドルと、他のデバイスに比較して大幅に高い定価がつけられています。

価格要因の他にも、HTCが1月に新型VRヘッドセットVIVE Cosmosを発表したことが挙げられます。リリース時期は「2019年の早いうち」とされており、VIVEやVIVE Proの買い控えがあった考えられそうです。

また、HTCが独自のVRコンテンツ配信プラットフォームVIVEportの拡充を行っていることも要因の1つでしょう。VIVEportユーザーが増えれば増えるほど、SteamでのVIVE利用者は減少すると考えられます。

(参考)Road to VR
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