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業界動向 2018.10.08

Steamのデバイス利用状況内訳にVive Proが明記 着実に増加

ゲーム販売プラットフォームSteamは、2018年9月までのハードウェア利用状況を発表しました。今回のデータでは初めてHTC Viveの上位機種、HTC Vive Proのシェアが明記されるようになり、Oculus RiftとViveの総シェアはこれまでの推計よりも差が小さいことが明らかになりました。

シェア差が拡大するOculus RiftとHTC Vive

Steamでは毎月ユーザーへの調査を行い、ゲームを遊んでいるPCのグラフィックボードなどのハードウェア、またOSなどのソフトウェアに関する統計を発表しています。なお調査はSteamでの利用に限るもので、かつSteamユーザーも任意で参加しています。各プラットフォームの公式ストアでの利用数も含まれていないため、市場全体のシェア率を直接推定するには不十分なことに注意が必要です。

9月までの調査結果によると、Steamユーザーの中で最も高い利用割合を占めるヘッドセットは依然としてOculus Riftです。そのシェアは47.27%(前月比0.16ポイント増)と、HTC Viveの42.36%(前月比0.22ポイント減)との差を広げています。
またWindows Mixed Realityヘッドセット(MRヘッドセット)も5ヶ月連続で徐々に利用割合を伸ばしており、最新のシェアは7.22%(前月比0.04ポイント増)です。

HTC Vive Proの利用割合は約2%

今回のデータで注目すべき点は、HTC Viveの上位機種、HTC Vive Proのシェアが正式に数値で提示されるようになったことです。Vive Proは2018年4月に発売されたプロフェッショナル向けのVRヘッドセットです。解像度2880×1600(両眼換算)の有機ELパネルを搭載し、3K相当の解像度を誇るほか、ヘッドホンの音質や装着時の快適性が向上しています。

しかし発売以降9月までは、Steamのハードウェア利用状況にその名前が載せられていませんでした。この間、利用状況の全デバイスシェアを合計しても100%には届いておらず、不足部分がVive Proの利用割合と推測されていました。
今回の正式な掲載開始に伴い、メディアRoad to VRは4月以降のVive Proのシェア推移を下記のように集計しています。

 

4/18

5/18

6/18

7/18

8/18

9/18

Vive Pro

0.49%

1.22%

1.42%

1.81%

1.95%

2.03%

(HTC Vive Proシェア推移、Road to VRより)

Steamデータ内のデバイスで最高価格を誇るだけあり、シェアの伸びはゆっくりしたものです。発売開始からシェア2%に到達するまでに、6ヶ月を要しています(参考に、Windows MRヘッドセットは発売1ヶ月以内で2%のシェアを獲得しました)。

また同時に、9月のデータからHuaweiのVR2ヘッドセットの掲載も開始しました。これは今年の3月にリリースされたSteam VR対応デバイスで、回転のみ認識する3DoFとなっています。しかし名前はあるものの、データ上の利用割合は0%です。

Oculus RIftとVive総シェアの差は縮小

8月以前のデータからも見られたように、ここ数ヶ月Oculus RiftとHTC Viveの利用割合は徐々に差を広げていました。しかしVive Proを考慮すると、その差は縮まります。最新データでOculus Riftのシェアは47.27%。一方ViveとVive Proの合計シェアは44.39%となり、Vive単体のシェア42.36%と比較したときよりも2ポイントほど差が縮小します。

なおSteam全ユーザーのうち調査時点でVRヘッドセットを利用する人の割合は0.72%と、5ヶ月前と比較して伸びを見せています。

過去の調査結果はこちらで紹介しています。

(参考)Road to VR
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