「Snapchat(スナップチャット)」を手がけるSnap Inc.は、2020年第1四半期決算を発表しました。最終損益は依然赤字が続くものの、ARフィルターについての積極的な取組が報告されています。
決算資料によると、デイリーアクティブユーザー数は前年同期比20%増の2億2,900万人。売上は同44%増の4億6,200万ドル(約498億円)、営業キャッシュフローは109%改善し600万ドル(約6.4億円)でした。最終損益は前年比で400万ドル改善していますが、3億600万ドル(約330億円)の損失となっています。
75%以上が毎日AR機能利用
スナップチャットの柱となるサービスは、画像にエフェクトを重ねるARフィルター(Lens)。このサービスについて、Snap社は次のように報告しています。
・デイリーアクティブユーザーの75%以上は、平均して毎日AR機能を利用している。
・2020年第1四半期末時点で、ARコンテンツ制作ツール「Snapchat Lens Studio」を用いて制作されたARフィルターは90万以上。2019年第4四半期の70万以上という数から増加している。
・Lens Studioでクリエイターが制作したLensは、ARフィルターを用いた全画像の30%以上を占めている。利用上位のレンズは10億以上のビューを誇る。
・新たに「Ground Transformationレンズ」をリリースした。機械学習の仕組を使い、周囲の地形を認識。地面を溶岩流や水に変えるエフェクトを施せる。
・人々がビデオ会議やライブストリーミングでコミュニケーションを取ることが増え、アプリ「Snap Camera」のダウンロード数は1日あたりで30倍以上の増加になっている。「Snap Camera」はPCで利用可能なアプリで、他のビデオ通話サービスと併用し、エフェクトを追加できる。
WHOと制作のフィルターも
この他にも、2020年3月には専用ソフトを使うことなくウェブブラウザ上でARコンテンツを作成できるツール「Lens Web Builder」をリリース。AR広告コンテンツ作成の裾野拡大を目指しています。
また新型コロナウイルスに対して積極的な取り組みを行い、世界保健機関(WHO)と提携し「My Social Distance」を制作しました。同ARレンズでは、WHOが推奨する間隔(1m)を、スマートフォンを中心に円形のエフェクト(緑色)で表示。範囲内に誰かが侵入した場合、距離に応じてエフェクトの色が緑から赤に変化して警告を行います。
スナップチャットの話題のARフィルターについては、下記の記事でも紹介しています。
(参考)Snap Inc.