スマートフォン向けアプリ「Snapchat(スナップチャット)」を手がけるSnapは、ARを用いた広告の効果に関するレポート「The Augmented Reality Playbook: Understanding the Role of AR in the Purchase Journey」を発表しました。消費者調査から、消費行動の段階に応じた広告の効果や、他の広告とのベストな組み合わせ方などが導き出されています。
この調査レポートは、メディア調査や戦略プランニングを行うMAGNAとSnapが共同で公開しました。調査対象国は北米やカナダ、フランス、サウジアラビア、オーストラリアの5カ国。玩具のレゴや衣料品のリーバイス、自動車のホンダといった、ジャンルの異なる6ブランドの広告を通して効果測定を行っています。
AR広告やARレンズは、ユーザーへのアピール力大
レポートによれば、AR広告による様々な効果が明らかにされています。
AR広告は消費者とブランドの結びつきを深める
・従来のプレロール広告(YouTubeなどの動画サイト上で動画コンテンツの開始前に挿入される動画広告)と比較し、消費者はAR広告をより情報量が豊富で(プレロール広告とAR広告で5%の差)、有益(同6%の差)だと考えている。
・AR広告はプレロール広告と比較して、消費者にブランドへの親近感を持たせ(AR広告はプレロール広告の1.3倍)、またブランドに対してワクワクした感情を持たせる(同1.15倍)。
(The Augmented Reality Playbook: Understanding the Role of AR in the Purchase Journeyより)
AR広告は消費行動の段階に応じて異なる役割を持つ
・以下の3段階でAR広告の役割を調査した。
アーリーステージ:あるカテゴリーでの商品購入を、直ちには検討していない段階
検討ステージ:あるカテゴリーでの商品購入を、近いうちに検討している段階
購入直前ステージ:あるカテゴリーでの商品購入を近いうちに検討しており、調査対象のブランドが選択肢に入っている段階
・アーリーステージの消費者に対しては、AR広告は興味関心をひく効果がある。
・検討ステージの消費者に対しては、AR広告はブランドに対するポジティブなイメージを持たせ、より最新でユニークだという印象を抱かせる。
・購入直前ステージの消費者に対しては、AR広告は次のステップに進ませる、すなわちそのブランドを最も意識させ、ブランドについて調べようという気持ちにさせる。
AR広告(ARレンズ)のタイプにより効果は異なる
・アプリ内で商品購入まで行えるShoppable ARレンズは、購入直前ステージの消費者の検索意図を促進する(+8%)。
・ゲーム要素のあるARレンズは、幅広い層の関心を高め、特にアーリーステージの消費者に対してブランドの差別化を行う効果を持つ(+12%)。
・インタラクティブな要素を持つARレンズは、消費者に対してブランドの記憶への定着を高める(+9%)。
AR広告を合わせることで従来の広告の効果を高められる
・動画広告のみと比較し、AR広告と合わせることで購買意欲の高まり(+6%)、ブランド選好の高まり(+6%)といった効果を得られる。
・動画広告の間にAR広告を挿入することで、消費者に驚きを与え、ブランドへの認知を高めることができる。
ARに全力投球を続けるSnap、ユーザーにも着実に浸透
常に新しいARレンズ、そして開発者向けツールの発表を続けるスナップチャット。ハードウェア開発やその効果に関する公表も継続的に行っており、今後も進展が期待されます。
本レポートの全文は、こちらで公開されています。