ソニーインタラクティブエンタテイメントは、2024年11月27日に公開したPodcastとPlayStation公式ブログにて、同社のインディイニシアチブ代表・吉田修平氏の退職を発表しました。
吉田氏は、1986年にソニーに入社。その後、1993年に、当時はグループ内でも一部署だった初代PlayStationの開発チームに配属。以降、31年にわたりSIEの前身であるSCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)にてPlayStationとキャリアを歩み、数々のソフトウェアタイトルをプロデュースしてきました。
直近では、SIEワールド・ワイド・スタジオのプレジデントとして、世界中のゲーム開発スタジオの支援。その後に、インディ・イニシアチブの代表として、小規模開発スタジオのサポートを行っていました。世界中のゲームイベントに足を運び、会場の展示ブースでゲームをプレイして、開発者と直接話す吉田氏は「吉P」の相性で慕われ、Xでのフォロワーは39万人を超えています。
XRとの関わりについて、吉田氏はSIEが2014年に開発を明らかにしたProject Morpheus(後のPlayStation VR)の開発に中心的な存在として関与。まさに発表の場で製品にかかっていた布をとり、世界にSIEのVR参入を知らしめた存在でした。当時、まさに小規模のインディ開発者が中心だったVR業界にも積極的に関わり、数々のコンテンツを支援してきました。
筆者も当時主催した開発者の数十人規模の懇親会に吉田氏が何度も参加し、開発者らと熱心に話していた様子を鮮明に覚えています。
2016年当時は個人が立ち上げた“インディ”なWebメディアだったMogura VRにもPSVRの取材機会をいただき、以降何度も重要プレイヤーの目線でその時々のVRゲーム事情を語ってきました。
2023年にMoguraが主催したXR Kaigiの基調講演では、黎明期から業界を支えてきた存在として、「次の10年へ」向けてメッセージを語りました。
SIE退職後の今後については、ゲーム開発者を支える取組に関わっていきたいとのこと。SIE時代と変わらぬ同氏のゲーム開発支援への情熱がどのような取組に繋がるのか、一層盛り上がるVRゲームやXRの領域への関わりにも注目したいところです。
(参考)PS Blog