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テック 2019.08.13

自動運転は“VRテスト”で進化する

各国で開発の進む自動運転技術。システムが危険を回避するためには、運転中に起こりうる様々な事象のもと、車両をテストする必要があります。この課題を、VRを使って解決するシステムが開発されています。

イギリスとアメリカに拠点を持つrFproは、実際の風景を元にしたバーチャルモデルを開発。自動運転車の「認知力」を、正確にテスト可能にします。このバーチャルモデルは、“Ground Truth”として知られる実際の測量に基づき作成されています。ポイントは、現実での運転中に発生しうる、最も予測し難い事象まで再現できる点です。

複雑な光の反射も再現

既存のバーチャル空間でのテストは、複雑な光の反射といった自動運転車を「混乱させる」事象を再現できていませんでした。

「多くのシステム構築は、まず車のアルゴリズムや制御機能を有効にすべく、理想的なセンサーモデルから始めます。しかしこの考え方は、センサー自体が持つ限界を無視したものです」rFpro社のテクニカルディレクターChris Hoyle氏はこのように説明します。

「複雑な光の具合、店のショーウィンドウに反射する光。これらは、センサーが車の周囲を認識する能力を損なう要因であり、悲惨な事故に繋がりかねません。つながる自動運転車(Connected Autonomous Vehicle、CAV)や先進運転支援システム(Advanced driver-assistance systems、ADAS)を備えた車両の完全な検証には、周囲を認識するセンサーの機能が不可欠です」と、Hoyle氏は語っています。

現実とバーチャルテストのギャップを埋める

ただし、バーチャル空間でのテストにも、自動運転車の公道での走行に向けて、より複雑な内容が求められます。Hoyle氏によれば、抽象的なシチュエーションだけでなく「車両やそのセンサーが直面する、あらゆる対象」をシミュレーションする必要があるとのこと。

「当社のエンジニアは常に、現実でのテストとバーチャルテストのギャップを埋めるという顧客要求に応えようとしています。(中略)完全なシミュレーションであれば達成可能ですし、rFproならそれが可能です」

現実の都市等をバーチャル空間に再現する技術は、軍やインフラ建設といった分野でも活用されています。

(参考)Motoring Research


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