マイクロソフトはMRデバイス「HoloLens 2」の販売終了を発表しました。現在の在庫がなくなり次第、新規販売を停止します。ソフトウェアサポートは2027年12月31日まで継続されます。
「HoloLens 2」は、2019年11月に発売されたマイクロソフトのMRヘッドセットです。産業向けにフォーカスして設計され、電源は後頭部側面に、バッテリーやプロセッサーは後頭部に搭載されています。
初代「HoloLens」よりもヘッドセットの視野は良くなったものの、依然として狭く、同じくエンタープライズ向けのMagic Leap社のMRデバイス「Magic Leap 2」やVarjoのXRヘッドセット「XR」シリーズ、さらには最近のAppleやMetaのパススルー型ヘッドセットの登場により、近年は競争力を失っていました。
ハードではなくソフトでのXR事業へ?
マイクロソフトは2022年頃から、XR分野での方針を大きく転換しています。「HoloLens 3」の開発が中止されたとの報道や、長年MR部門を率いてきたアレックス・キップマン氏の退社、そして2023年と2024年のMR部門での大規模なレイオフなど、徐々に自社でのハードウェア開発から撤退する動きが見られました。
一方で、マイクロソフトはXR/メタバース分野への投資自体は継続する意向を示しています。特に注目されるのが、Metaとの長期的な戦略的提携です。この提携により、Microsoft OfficeのウェブアプリがMetaのVR/MRヘッドセット「Meta Quest」シリーズで利用可能になりました。今後、特別なアプリケーションをインストールすることなく、「Meta Quest」をWindows PCの拡張ディスプレイとして利用できる新機能のリリースなども予定されています。
また、マイクロソフトは米国陸軍向けの軍事用HoloLens(IVAS)の開発には引き続き「全面的にコミット」していると述べています。2025年初頭には大規模な運用テストが予定されており、同年後半には本格的な生産に移行するかどうかの判断が下される見込みです。
(参考)UploadVR
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