フェイスブックは、約4年間取り組んできたBCI(Brain-Computer Interface)研究の方針転換を表明しました。VR/ARデバイスの入力方法として注目されるBCIの早期実用化を中止し、リストバンド型デバイスによる操作に注力するというものです。
実用化への長期戦が背景
同社は2017年の開発者会議「F8」において、BCIへの取組を公表しました。「ユーザーの脳から直接、1分間で100ワードのタイピングを行えるようなシステムを作る」と目標を掲げ、その後2019年7月には、公式ブログでより詳細な説明を行っています。
しかし先日同社の技術ブログにて、この計画を見直していることが明らかになりました。フェイスブックいわく「多くの検証を繰り返した結果、一般消費者向けのインターフェースとして、脳の動きで操作するデバイスの実現には予測していたよりも長い時間がかかる」とのこと。長期的な視点ではポテンシャルを認めつつ、より商用化に近い技術への注力を決めたとしています。
今後はリストバンド型コントローラーへ注力
BCIに代わり、フェイスブックは手首に装着したリストバンド型コントローラーによる操作の早期実用化を狙います。2021年3月には筋電位センサを使ったリストバンド型コントローラーを発表しており、「信頼性が非常に高く、自然で、パーソナライズされており、多くのシーンにマッチする」ものとして提案しています。
今後フェイスブックはBCIに関して開発したソフトウェアや、デバイスのプロトタイプをオープンソースで公開予定です。
製品化の動きも
BCIや脳の動きによるVRデバイスの操作に関しては、こちらの記事でも取り上げています。