フランスのXRスタートアップLynxが、世界的な眼鏡大手のEssilorLuxotticaに買収されました。創業者兼最高経営責任者のスタン・ラロック氏が、支援者向けの公開メールで買収を認めました。買収は2週間前から噂されていたということです。
ラロック氏はメールの中で、知的財産や資産、大半のチームがスタートアップから同社へ移行すると説明しました。法的な承認待ちのため、業務が正常化するまで数ヶ月かかる可能性があるとしています。ラロック氏はRoad to VRの取材に対し、社名やドメイン、データベース、コード、3Dファイル、製造ノウハウを含む正式な買収であると確認しました。従業員の大半はすでにEssilorLuxotticaに雇用されているということです。
一方でラロック氏自身は、EssilorLuxotticaへは移籍しないことを発表。8年間率いてきたLynxでの活動に区切りをつけ、パリを拠点とするドローン企業Parrotへ移ることを明らかにしました。Parrotの創業者兼最高経営責任者であるアンリ・セドゥ氏のもとで、要職に就くとしています。
未発売のヘッドセット「Lynx-R2」の今後については言及がありません。EssilorLuxotticaはRay-BanやOakley MetaのスマートグラスでMetaと密接に提携しており、Quest競合機となるLynx-R2の将来は限定的になる可能性があります。
買収の背景には、Lynxの厳しい経営状況があります。今年3月、親会社のSL Processはフランス・ナンテール商事裁判所の裁定を受け、司法清算手続きに入りました。再建の道が絶たれ、資産や知的財産の売却が避けられない状況だったとみられます。
Lynxは2019年、200万ドルのシード資金調達を経て設立されました。2021年には初代モデル「R1」のKickstarterキャンペーンを実施し、支援者から80万ドル以上を集めています。2022年には、ソーシャルVRプラットフォームを手がけるSomnium Space主導のシリーズAラウンドで400万ドルを調達しました。それでもハードウェア企業としては600万ドル程度の資金は乏しく、ラロック氏は欧州の資金調達環境について「過酷」だとたびたび語っていました。
参考
Road to VR
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