フランス・ナンテール経済活動裁判所は、MRヘッドセット「Lynx」シリーズを手がけるSL Process(商標名:Lynx Mixed Reality)に対し、2026年4月3日付けで司法的清算を命じました。
SL Processはフランス・ブローニュ=ビヤンクールに本社を置く簡易株式会社(SAS)です。2016年に設立され、VR・MRヘッドセットおよび関連製品の設計・製造・販売を事業としていました。CEOはスタン・ラロック氏が務めています。
同社は2019年にMRヘッドセット「Lynx R-1」を発表しました。VRとMRを切り替えられる一体型ヘッドセットとして注目を集め、2021年にはクラウドファンディングで約37万ユーロ(約4,800万円)を調達しています。しかし出荷延期を繰り返し、製品が支援者に届き始めたのは2023年秋でした。
2024年7月、CEOのラロック氏はKickstarterへの投稿で財務上の苦境を明かしています。約3,000万ユーロ(約52億円)規模の資金調達が、投資家の資金不足により破談となりました。フランスの公的ファンドからの約1,500万ユーロ(約26億円)の調達も白紙に終わったと語っています。
2026年1月21日には次世代機「Lynx-R2」を発表。水平視野角126度やSnapdragon XR2 Gen 2搭載など大幅にスペックを強化し、2026年夏の予約開始を予告していました。
しかし、同日にはナンテール商事裁判所が破産手続きの開始を命じていました。裁判所が認定した支払停止日は2024年7月22日です。観察期間が設けられたものの、最終的に4月3日の判決で司法清算が決定しました。
「Lynx-R2」の今後の製品展開や、既存の支援者・予約者への対応については現時点で不明です。
参考
https://data.inpi.fr/entreprises/819182387
