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業界動向 2023.06.02

AR向けディスプレイのDigiLensとMojo Visionがパートナーシップ締結、高性能化や新製品開発狙う

マイクロLEDディスプレイを開発するMojo Visionは、ARグラス向けのディスプレイ開発を行うDigiLensとのパートナーシップ締結を発表しました。両社の技術を統合し、DigiLensのARグラスの高性能化や、新製品開発などを目指します。


(出所:DigiLens

スマートコンタクトレンズからマイクロLEDにシフトしたMojo Vision

Mojo Visionは2015年創業。米国カリフォルニアに拠点を置くスタートアップ企業です。創業以来、マイクロLEDディスプレイと呼ばれる直径0.5ミリ程度のディスプレイを埋め込んだ「スマートコンタクトレンズ」の開発に取り組み、2022年3月末には最新のプロトタイプ「Mojo Lens」を公開していました。

しかし2023年1月、同社は世界経済の低迷や資金調達の困難さなどを理由に大規模なレイオフと事業方針の転換を発表。以降は、マイクロLEDディスプレイの技術開発に専念しています。2023年4月には約30億円の資金調達にも成功しました。

ARグラス向けディスプレイ開発に取り組むDigiLens

DigiLensは2003年創業。ARグラス向けに、独自の導光板ディスプレイ技術(マイクロディスプレイから出力された光を、導光板と呼ばれる板の内部で反射させてディスプレイ化する技術)を開発しています。

同社は2021年5月に一体型ARグラスのリファレンスモデル「Design v1」を発表。2021年7月には三菱ケミカル株式会社とのパートナーシップを強化し、同年8月にはディスプレイの解像度を2倍に引き上げる技術「T-REx」を開発しました。さらに、2023年1月には産業従事者向けの一体型ARデバイス「ARGO」を発表しています。

また、2023年4月には、低価格で高性能な導光板ディスプレイを実現する「Surface Relief Gratings+(SRG+)」技術を発表し、自社の導光板技術を進化させました。

次世代型AR/XR製品の開発を加速させる

今回のパートナーシップによって、Mojo VisionのマイクロLED技術がDigiLensの革新的な導波板ディスプレイ技術と統合されます。これにより「ユーザーが長時間着用できるほど十分に小さく、晴れた日でも重ね合わせたデジタル情報を明確に確認できるほど明るい」ARグラスを実現できる」とのことです。

今後の目標として、プレスリリースでは「短期的にはDigiLensが販売する製品の性能向上を目標とし、長期的には次世代型AR/XR製品の商業化・普及を目指す」と記載されています。

(参考)プレスリリースGamesBeat


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