ARディスプレイ技術を開発するDigiLensは2021年8月10日、ARグラスのディスプレイ解像度を2倍に引き上げる「T-REx」(Transparent Resolution Expander、透明解像度エキスパンダー)を発表しました。同技術により、既存のものと変わらないディスプレイサイズで2倍の解像度を実現できるとのことです。
ずらして重ね合わせた2つのフレームを切り替え高速表示
T-RExでは「ウォビュレーション(wobulation)」という技術を利用しています。これは2つのフレームをわずかにずらして重ね合わせ、高速に切り替え表示することで人間の目には2倍の解像度に見えるというもの。
(左がT-REx適用前、右がT-REx適用後の映像。画像元:DigiLens)
同様のアプローチとしては、フェイスブックがVRヘッドセットのスクリーンドア効果を軽減するために、機械的にディスプレイを動かす実験を行った事例があります。
既存のあらゆるプロジェクターに適用可能
DigiLens社によると、T-RExは60Hzまたは90Hzのウォビュレーションを実現でき、また、マイクロLED・DLP・有機EL・LCoS(Liquid crystal on silicon、エルコス)など、「既存のすべてのプロジェクター」に対応するとのこと。さらにT-RExでは熱・音・振動も一切発生しないということです。
DigiLens社ではこの技術を、同社が提供するARグラスのリファレンスモデルとセットで、またはアドオンとしてライセンシー各社に提供しています。
(参考)Road to VR、Digilens
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