米ニューヨーク州にあるコーニングガラス美術館(Corning Museum of Glass)で、18世紀のロンドンに実在した「ガラスの応接室」がVR展示されます。
「ガラスの応接室」は2020年5月9日から開催される企画展「In Sparkling Company: Glass and Social Life in Britain During the 1700s」での展示予定となっています。
失われた建築物をVRで再現
今回VRで再現される「ガラスの応接室」は18世紀後半、英ノーサンバーランド公爵であるHugh Percyが建築家Robert Adamに作らせた、かつてロンドンにあった建築物。企画展ではVRヘッドセットを通じて、応接室の細部まで見物することができます。
企画展の実現には、ダブリンに拠点を置く制作会社Nohoが協力しています。コーニングガラス美術館のデジタルメディアプロデューサー、Mandy Kritzeck氏はAD PROの取材に対し、「この“ガラスの応接室”ほどVRにぴったりのプロジェクトは他にないと思います。2、3年前だったら、鏡やガラスの部屋をVRで再現することはシステム的に不可能だったでしょう」と語っています。
部屋とそのオブジェクトを3Dでキャプチャするため、Kritzeck氏とNohoら企画展チームは、英国のヴィクトリア&アルバート博物館を訪れ、応接室を再現するための取材を行いました。
(Photo: Ardon Bar Hama / Courtesy of Sir John Soane’s Museum, London)
Unityを使って3Dで構築された応接室はガラスパネルに加え、壁に飾られた絵画や木製のドアまで再現されています。
(Photo: Ardon Bar Hama / Courtesy of Sir John Soane’s Museum, London)
ただし、最新のVR技術をもってしても、室内の照明設計には困難がともなったとのこと。コーニングガラス美術館のキュレーター、Christopher Maxwell氏は「ろうそくがちらつくと、その反射と、その周りの壁に発生する光彩もあります」と語りました。
企画展「In Sparkling Company: Glass and Social Life in Britain During the 1700s」は、2020年5月9日から2021年1月3日まで開催されます。
(参考)AD PRO