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テック 2019.01.10

「手持ちのアクションカムを最新型360度カメラに無償交換」Insta360がCESで見せた自信

2019年1月8日からラスベガスでは、コンシューマーテクノロジーの展示会CESが開催されています。VR/AR企業が集まったコーナーで、黄色一色のひときわ目立ったブースを展開していたのは、360度カメラのブランドInsta360です。


(Insta360のCESにおけるブースは毎年拡大している)

Insta360は、コンシューマー向けからプロフェッショナル向けまで幅広いラインナップの製品を揃え、年間2〜3種類の新製品を市場に投入しています。

CES2019では、コンシューマー向けのInsta360 One X(2018年10月発売)とプロフェッショナル向けのInsta360 Pro 2(2018年8月発売)に加えて、新たに発表したプロフェッショナル向けの「Insta360 TITAN」が展示されていました。

時代を先取りするInsta360 TITAN

Insta360 TITANは、CES2019に合わせて発表されたプロフェッショナル向けのVR用カメラです。8基のマイクロフォーサーズセンサーを搭載し、最大11Kの360度撮影が可能です。価格は税込188万円ということで同じくプロフェッショナル向けのInsta360 Pro 2(税込68万円)の3倍近い価格です。


(Insta360 TITAN)

Insta360のグローバルブランドストラテジスト、エリ・マッキノン氏によると「Insta360 Pro 2はプロフェッショナル向けで教育やトレーニングなどざまざまなエンタープライズの用途などで使用されることを想定しています。一方でTITANは、シネマティックな映像作品や特にこだわったプロモーション映像の撮影に向けたものとなっています」と述べています。

筆者もTITANで撮影された11Kの360度映像をGear VRで体験してみましたが、VR再生側の解像度が11Kの本来の画質を活かすことができていませんでした。「今後、出てくる(両目)4K以上の高解像度なVRヘッドセットを待ちたい」(マッキノン氏)とのコメントにあるように、今後さらなる高画質化を遂げるVRヘッドセットに期待したいところです。余談ですが、筆者は、ジャパンディスプレイが2018年末に発売した高精細なVRゴーグルVRM-001で見てみたくなりました。

Insta360 One Xは前世代機の4倍の初速

CESはコンシューマー向け製品の展示会ということもあり、Insta360のブースで最も面積を割いていたのは、Insta360 One Xの展示でした。

特に印象的だったのは、「手持ちのアクションカムをリサイクルしてInsta360 One Xを無料で渡す」会場限定のキャンペーンです。


(左にあるリサイクルマークがキャンペーンの掲示。ひときわ目立つ通路沿いに置かれていた)

このキャンペーンの背景には、今後のアクションカムの方向性への確信と自社製品への自信があります。マッキノン氏によると「未来のアクションカムは360度カメラになる」との考えの元、Insta360 Oneシリーズを設計しているとのこと。ブレなどを自動で補正する強力なスタビライゼーション「FloatState」を競合のアクションカムと比較する装置など展示もアクションカムを意識したものでした。

Insta360 One Xは2018年10月に発売されたばかりの機種ですが、前世代機であるInsta360 Oneと比較しても人気を集めています。マッキノン氏によると、発売直後の1ヶ月の初速の出荷台数がInsta360 Oneの4倍に達しているとのこと。Insta360 One Xは税込52,300円と、わずか1年前に発売されたInsta360 One(税込42,999円)と比べても価格が上昇していますが、大幅な出荷増を達成しているという事実は注目に値します。

2日目午前中に足を運んだところ、すでにキャンペーンは対象数に到達していました。「初日に20個程度、そして2日目朝に一気に殺到しました。また補充するので明日からは再開します」(マッキノン氏)とのこと。勢いは止まりません。

Insta360の製品サイクルから鑑みると、2019年もさらに数種類の新製品をリリースすることは間違いないと考えられます。その動向からは目が離せません。


(Insta360のグローバルブランドストラテジスト、エリ・マッキノン氏、TITAN(右)とInsta360 Pro 2(左)を背景に。CES2019でInsta360 Pro 2はイノベーション賞を受賞している)


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