米国の小売大手ウォルマートは、従業員の評価にVRを導入します。評価におけるバイアスを取り除き、優秀なマネージャーを選出して労務コストを削減する狙いです。
様々なシチュエーションへの対応で評価
米メディアWall Street Journalの報道によれば、ウォルマートはVRトレーニングを手がけるSTRIVRと提携。中堅クラスの社員の昇進を決めるために、VRによるスキル評価を導入します。
対象となる社員はVRヘッドセットを装着し、VR内で様々なシチュエーションに向き合います。例えば腹を立てた買い物客や、出来の悪いワーカー等です。そして、それらの状況にどう対応するかをテストされる、という内容になっています。
このVR評価により、従業員の強み、弱み、潜在能力を測り、店舗での昇進や降格を決めるということです。
このような評価方法は、伝統的な人事評価におけるバイアスを取り除くことが期待されています。ウォルマート人材部門のあるマネージャーは、VRを「人事評価における(従業員との)接点」と呼んでます。降格させるためのものではなく、「我々マネージャーが、従業員のポテンシャルを見つける」ツールだと考えているということです。
既に1万人以上へVR評価を実施
ウォルマートは既に、1万人以上の従業員の評価にVRプログラムを用いたとのこと。優秀なマネージャーを選出し、トータルの労務費削減を図っているという見方もあります。
現在のプログラムでは、各シチュエーションに対する社員の回答のみで評価を行っています。これに対してウォルマートとSTRIVRは、さらに明確に従業員の能力を測るべく、身振りや視線といった要素も取り込もうと連携中です。
ウォルマートのVRへの取組
ウォルマートはこれまでにも従業員教育にSTRIVRのVRプログラムを導入しており、17,000台の一体型VRヘッドセットOculus Goを配備しました。
また2019年に入ってからは、傘下のインキュベーターが、VRスタートアップを設立。ウォルマート顧客への商品紹介用VRコンテンツ開発を行う方針です。
(参考)Road to VR
Mogura VRはRoad to VRのパートナーメディアです。