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投資 2019.09.06

VRChatがシリーズCで約10億円を資金調達

ソーシャルVRアプリ「VRChat」の開発元VRChat社が、シリーズCで1,000万ドル(約10億円)を資金調達しました。

同社には、これまでHTCBrightstone VCGFR Fundといった企業が出資を行ってきました。VRChat社の発表によれば、今回新たな出資者としてベンチャーキャピタルのMakers Fundが加わったとのこと。

VRChatについて

「VRChat」は、2017年にリリース(PC版)されたVR空間内にアバターでログインし、コミュニケーションをとることができるソーシャルVRアプリです。ユーザーが自作のワールド(VR空間)やアバターをアップロードすることが可能で、国内外で人気を集めました。

日本でも即売会「バーチャルマーケット」を始め、ライブなど数々のイベントが開催されるなど大きな盛り上がりを見せています。

2019年9月現在「VRChat」は、PC版(VRヘッドセット、モニター両対応)とOculus Quest版が配信されています(両バージョン共にアーリーアクセス状態)。ダウンロードは無料です。

via Gfycat

開発チームとアプリの拡張などに使用

VRChat社のプレスリリースによれば、今回調達された資金は「VRChat」開発チームの増強、アプリ本体の拡張、コミュニティーの発展のために使用されるとのこと。

今回の資金調達成功について、VRChat社のCEO、Graham Gaylor氏は以下のようにコメントしています。

我々のゴールは、人々(ユーザー)を繋げ、同じ部屋にいるかのような交流を可能にすることです。もし皆様が望むようなソーシャル体験(コンテンツ)が存在しないのなら、誰かが作らなければなりません。

Makers Fundは、こういったタイプのプラットフォームについての深い見識を有しており、それ(ノウハウ)は「VRChat」が目指すゴールへの歩みを助けになります。

マネタイズの準備も進行中か

「VRChat」はリリース以降、先述の通り無料ダウンロード形式で配信されており、課金要素も導入されていない(※)ことから、VRChat社の収益になるコンテンツがアプリ内に存在しない(=マネタイズされていない)状態が続いています。

(※コミュニティー内で有料のアバター販売等は行われているものの、VRChat社には還元されていない)

2019年8月、VRChat社は、「VRChat」内でのバーチャル経済に関する業務を取り仕切る「Virtual Economy Manager」職の求人募集を開始しました。同職の業務には「複数チームと共同での、収益化モデルのリリース、品質保証、実装」などが含まれており、VRChat社がマネタイズの準備を進めていることが伺えます。

今回の資金調達も含め、VRChat社がどのように「VRChat」を発展させようとしているのか、今後の展開に注目が集まります。

(参考)プレスリリースRoad to VR

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