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ゲーム・アプリ 2019.08.29

「VRChat」が“アプリ内経済”の担当者を募集 マネタイズの準備か

ソーシャルVRアプリ「VRChat」の開発元VRChat社が、「バーチャルエコノミーマネージャー(Virtual Economy Manager)」の求人募集を開始しています

同社によれば「Virtual Economy Manager」職は、「VRChat」内でのバーチャル経済に関する業務を取り仕切る役職とのこと。

VRChatについて

「VRChat」は、2017年にリリース(PC版)されたVR空間内にアバターでログインし、コミュニケーションをとることができるソーシャルVRアプリです。ユーザーが自作のワールド(VR空間)やアバターをアップロードすることが可能で、国内外で人気を集めました。

日本でも即売会「バーチャルマーケット」を始め、ライブなど数々のイベントが開催されるなど大きな盛り上がりを見せています。

2019年8月現在「VRChat」は、PC版(VRヘッドセット、モニター両対応)とOculus Quest版が配信されています(両バージョン共にアーリーアクセス状態)。ダウンロードは無料です。

マネタイズのための計画か

「Virtual Economy Manager」職の求人ページには、同職の主な業務として以下のようなものが掲載されています。

Virtual Economy Managerの業務(一部)

・「デザイン、プロダクションと共同で、ユーザー制作のコンテンツに関するバーチャル通貨経済の計画、記録、デザイン、実装、マネジメント」。

・「デザイン、プロダクションと共同で、バーチャルグッズ(販売を行う)マーケットプレイスの計画、記録、デザイン、実装、マネジメント」

・「複数チームと共同での、収益化モデルのリリース、品質保証、実装」

「VRChat」はリリース以降、先述の通り無料ダウンロード形式で配信されており、課金要素も導入されていない(※)ことから、VRChat社の収益になるコンテンツがアプリ内に存在しない(=マネタイズされていない)状態が続いています。

(※コミュニティー内で有料のアバター販売等は行われているものの、VRChat社には還元されていない)

同社は2014年の創業以降、複数回の資金調達を行っており、2017年にはHTCの主導で400万ドル(約4億5,000万円)の資金を調達しました。しかしマネタイズが行われていない以上、調達した資金は運営費や人件費などに投じられ、減少し続けていると思われます。

今回、VRChat社が「Virtual Economy Manager」職の求人募集を行ったのはこういった背景があるものと推測されます。2019年8月現在、同社がどのような収益化モデルを実装するのかは確定していませんが、今後の動きに注目が集まります。

(参考)New World Notes


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