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トレーニング・研修 2018.12.25

米通信キャリア大手、強盗対策のVRトレーニング導入

アメリカの大手携帯電話事業者Verizon Wireless(以下、Verizon)が、従業員用VRトレーニングの導入を決定しました。導入されるのは、Verizonの店舗が強盗に襲われた際の対応を学ぶための、VR強盗対策トレーニングです。

リアル感を追求

Verizonはアメリカで加入者数第1位の携帯電話事業者です。合計1,600軒以上の店舗が、全米の各地に展開しています。今回のVR強盗対策トレーニングは店舗で勤務する従業員が対象です。約15,000人程度の、Verizonの従業員の受講が予定されています。

VR強盗対策トレーニングの詳細は明かされていませんが、実装されるシナリオは3つと判明しています。開店直後の武装強盗、閉店間際の武装強盗、日中営業中の窃盗の3つのシチュエーションです。

開店直後の武装強盗については、詳細なシナリオが公開されています。2人の強盗がVerizonの店舗に押し入り従業員の1人を人質に確保、金庫を開けるように迫ってくるというシナリオです。VR強盗対策トレーニングを体験した米メディアCBS Newsの特派員Tony Dokoupil氏は、VRトレーニングを「現実さながらの恐怖だった」と評しています。

VR強盗対策トレーニングを受けた従業員は、VRトレーニングの受講後、実際に強盗に遭遇した場合の対処法についての質問を受けます。質問に答えた後、受講生はグループディスカッションを行うという流れです。

今回導入が決まったVR強盗対策トレーニングについて、Verizonの警備責任者Michael Mason氏は、VRトレーニングは第1に従業員の命を守るためのものだ、と説明します。「(強盗被害を)私は小さな問題とは捉えていません。目の前に銃やナイフが突きつけられた時、すべては一瞬で深刻な事態となります」とMason氏はコメントしています。

Verizonは例年、平均50件弱の強盗被害を受けています。今回、VR強盗対策トレーニングの導入が大々的に告知されたのも、強盗対策の一環であるとのことです。

VRトレーニングは全米で普及傾向

アメリカの大手企業の間では近年、VRを自社の従業員のトレーニング用に導入する企業が増加しています。2017年には小売大手のウォルマートが、訓練用にOculus Riftの導入を決定しました。ウォルマートは2018年に、追加で計17,000台のOculus Goの導入も行っています。ウォルマートのVRトレーニングは、カスタマーサービス等の習得が目的です。

(参考)CBS News


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