6月18日、フィンランドのVarjoは3Dスキャン・シーン表示ツール「Teleport」を発表しました。スマートフォンなどで現実の物体を3Dスキャンし3Dモデル生成、XRデバイスやPCなどで確認・体験することが可能です。すでにフィンランド国立オペラ・バレエ団などに導入されており、トレーニングや遠隔支援などで利用されています。
超高解像度XRのVarjo、「3Dスキャンとモデルの再構築」を導入
Varjoは、フィンランドの超高解像度XRヘッドセットを開発する企業。独自技術により「人の眼レベルの解像度」を実現し、世界トップレベルの自動車メーカーや航空宇宙産業、医療分野などを中心に採用が進んでいます。日本ではトヨタ自動車などで導入が行われています。
新たに発表された「Teleport」は、「iPhoneや各種スキャンデバイスでの3Dスキャン」「3D Gaussian Splattingや機械学習を活用した3Dモデルの再構成」「これらをXRヘッドセットやPCなどの各種機器を通して確認できる」機能を有しています。3DモデルはVarjoのデバイスや他のOpenXR対応のXRヘッドセット、Windowsデスクトップなど、複数のデバイスでの閲覧・体験が可能です。
Varjoは「Teleport」のユースケースとして、トレーニングや建築のプランニング、リモートでの作業支援などを挙げています。3Dスキャン(=3Dモデルの作成)を手軽に行えるようにすることで、クライアント企業によるXRコンテンツの制作コストを削減します。
「Varjo Teleport VR」との違いは?
また、Varjoは2021年、「Varjo Telepoirt VR」という名称で類似したサービスを立ち上げています。これはバーチャル空間上で、アバターを使用した3D会議や、デザインレビューが行えるビジネス向けソリューションです。これは、2024年6月で提供が終了予定となっているサービス「Varjo Reality Cloud」の一部でした。
Mogura VR NewsがVarjoの広報担当者に確認したところ、「『Teleport』は、数年前に『Varjo Teleport VR』で打ち出された、“バーチャルなテレポーテーションを現実にする”というビジョンの延長線上にある」との回答が得られました。
ふたつのサービスのコンセプトは同一ですが、以前の「Varjo Teleport VR」と比較した場合、「Teleport」は、3Dコンテンツの制作を、3Dスキャンと機械学習などにより、簡易化・高速化した点がポイントです。これにより、XR活用にありがちな「フォトリアルな3Dモデルを作るコストが高い」問題を解決し、よりVarjo製品の利用を推し進める意図があると考えられます。
(参考)Varjo