Home » ソニー、0.5型で最高解像度の有機EL商品化 AR/VRでの利用も期待


テック 2018.05.30

ソニー、0.5型で最高解像度の有機EL商品化 AR/VRでの利用も期待

ソニーは、0.5型(約1.27cm)では最高解像度となるUXGA(1600×1200)を実現する有機ELマイクロディスプレイ「ECX339A」の商品化を発表しました。従来比(ソニーの有機ELマイクロディスプレイ「ECX337A」(0.5型QVGA(1280×960)との比較、以下同)約1.6倍の高解像度となっています。

高画質な有機ELマイクロディスプレイは、今後AR/VR向けのヘッドマウントディスプレイ機器など、様々な市場での利用が期待されます。

[ads]

世界最小の6.3μm画素ピッチ

本商品は、ソニー独自の有機ELディスプレイ技術と微細化プロセス技術により、世界最小の6.3μm画素ピッチを達成し、従来比約1.6倍の高解像度化を実現しました。

従来比2分の1の電圧で動作する新規設計の駆動回路を採用することで、高解像度かつ従来品と同等の低消費電力を実現しています。さらに、独自の駆動方式を組み合わせることにより、従来比2倍の240fpsまでのフレームレートに対応しています。


(有機ELマイクロディスプレイの画像比較、新商品(UXGA)(左)と従来品(QVGA)(右))

マイクロディスプレイの高解像度化には、画素ピッチの縮小に伴う画質の低下や視野角特性の悪化などの課題がありました。本商品はこれら課題を解決し、下記の特長を備えています。

主な特長

0.5型で初の高解像度UXGAを実現

ソニー独自の有機ELディスプレイ技術と微細化プロセス技術により世界最小の6.3μm画素ピッチを達成し、従来比約1.6倍の高解像度化を実現しました。
一般的には、トランジスタの小型化により、特性のばらつきや耐圧の低下が起こります。本商品は、ソニー独自の補正回路に加え、個々のトランジスタのレイアウトやプロセスを最適化することによりそれらを低減しました。
さらに、カラーフィルターをシリコン基板上に直接形成し発光層との距離を縮めるとともに、カラーフィルターの色配置を工夫することにより、視野角特性を確保し、高解像度化を実現しました。


(画素ピッチの縮小に伴う視野角特性確保のイメージ、新商品(左)と従来品(QVGA)(右))

フレームレートの高速化に対応

新規設計の駆動回路により、従来比2倍の240fpsまでのフレームレートに対応しました。すばやく動く被写体でもファインダーでより正確に捉えることが可能となり、重要なシャッターチャンスを逃さず、快適に撮影が楽しめます。

また、ヘッドマウントディスプレイ機器向けとしても、現実世界に重なるAR映像のずれの改善、またはVR酔いを軽減することに役立ちます。

低消費電力の実現

従来比2分の1の電圧で動作する新設計の周辺回路を採用。これにより、画素数が約1.6倍に増加したにも関わらず、同一のフレームレートにおいて、従来品と同等の低消費電力を実現しています。

新商品のサンプルは既に提供中。量産出荷は今年11月を予定しています。

有機ELディスプレイについては台湾のINTグーグルとLGなども高精細化を進めています。

主な仕様

型名

ECX339A

画角

0.5型(対角12.6mm)

解像度(ドット数)

UXGA(1600×RGB×1200)

画素ピッチ

6.3μm

最大フレームレート数

120fps(プログレッシブ)/240fps(デュアルラインプログレッシブ)

消費電力(200cd/㎡)

310mW@60fps(プログレッシブ)/120fps(デュアルラインプログレッシブ)

ビデオインターフェース

LVDS/Sub-LVDS

最大輝度

1,000cd/㎡

コントラスト

100,000:1以上

色域(u’v’)

sRGB比 : 110%

(参考)ソニー株式会社ニュースリリース


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード