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MoguraVR

2018.10.11

次世代GPUでVRは変わる?海外のVRの最新動向は?専門家が解説

2018年8月にカナダ・バンクーバーで開催された世界最大のCG系カンファレンス、SIGGRAPH2018。このカンファレンスでは半導体メーカーとして知られるNVIDIAの発表した新世代GPUや、210度の視野角にアイトラッキングを搭載したハイエンドVRヘッドセット「StarVR One」などが注目を集めました。

9月12日、このSIGGRAPH2018の報告会である「SIGGRAPH 2018報告会 VR/AR動向を探る~リアルタイムレイトレーシング概説やStarVR One担当者も登壇~」が開催され、実際に現地へ足を運んだメンバーや、当該企業の担当者が考察を踏まえた講演を行いました。本記事ではその様子をレポートします。

本講演にはテクニカルジャーナリストの西川善司氏やStarVR APAC Business DevelopmentのマネージャーであるMarch Lu氏、シーグラフ東京チャプター代表の安藤幸央氏、デジタルハリウッド大学学長の杉山知之氏、そしてMogura VR 編集長の久保田瞬が登壇。それぞれの見解や考察など、聞きごたえのある講演となりました。

目次

1.SIGGRAPHとは
2.西川善司氏によるレイトレーシング概説
3.SIGGRAPH2018 VR/AR事情
4.StarVR Oneについて
5.SIGGRAPH Asiaについて

SIGGRAPHとは

SIGGRAPH 2018報告会はデジタルハリウッド大学学長 杉山知之氏の挨拶でスタート。杉山氏は今年の11月に東京で開かれるSIGGRAPH ASIAのアンバサダーを務めます。


(デジタルハリウッド大学学長の杉山知之氏)

続けてシーグラフ東京チャプター代表、安藤幸央氏がSIGGRAPHの紹介を行います。SIGGRAPHは今年で45回目を迎える大規模なコンピュータグラフィックス関連のカンファレンスであり、毎年多数の企業や大学による展示が行われ、CGに関する論文などが採択・発表されます。論文やサンプル動画、デモ用コードの一部は公式サイトで公開されるなど、オープンな雰囲気のカンファレンスでもあります。

今年のSIGGRAPHは映画史におけるCG使用の記念碑的作品であり、大成功を収めた映画「ジュラシック・パーク」の公開25周年を記念し、当時のフィルムを4Kのプロジェクターで上映する催しが行われたとのこと。またVRヘッドマウントディスプレイ誕生から50周年に当たる年でもあり、“VRの始祖”と呼ばれるアイバン・サザーランド氏らのトークセッション「VR@50」も開催されるなど、2018年はひとつの節目となったようです。


(シーグラフ東京チャプター代表の安藤幸央氏)

西川善司氏によるレイトレーシング概説

続いて映像デバイスやリアルタイム3Dグラフィックス等の関連技術に詳しい、テクニカルジャーナリスト・西川善司氏が登壇。NVIDIAの新世代GPUアーキテクチャ「Turing」や、この新アーキテクチャが実現する「リアルタイムレイトレーシング」等の解説に移ります。


(テクニカルジャーナリスト・西川善司氏。ゲーム関連を中心に、3Dグラフィックスや映像デバイスなどに造詣が深い)

2018年8月、半導体メーカーとして知られるNVIDIAは新世代のGPUアーキテクチャ「Turing」に関する発表をSIGGRAPHなどで立て続けに行いました。NVIDIAは業務向けと一般ユーザー向けの2シリーズの新GPUを発表していますが、Turingはどちらにも採用されています。

Turingコアの特徴

今回NVIDIAが発表・発売した新たなアーキテクチャ、Turingコアには大きく4つの特徴があると西川氏。それぞれ、

・レイトレーシングアクセラレータの搭載
・推論エンジンアクセラレータの搭載
・ジオメトリパイプラインの改良
・ピクセルパイプラインの改良

この4つです。

1つ目のレイトレーシングアクセラレータの搭載は、後述する「レイトレーシング法」を可能とするRTコアが搭載されたことを意味します。2つ目の推論エンジンアクセラレータの搭載は、機械学習などに関わり、前世代のよりも8倍の早さでの行列計算がを実現しています。4つ目のピクセルパイプラインの改良が「一番VRに関係ある話」とのことで、これに関してはVariable Rate Shading(ヴァリアブルレートシェーディング/可変レートシェーディング)の解説を行いました。

ラスタライズ法とレイトレーシング法

CGの描画(レンダリング)方法は大きく分けて2つあります。それがラスタライズ法レイトレーシング法です。ラスタライズ法は現行のゲーム機であるPlay Station 4(PS4)、Xbox、Nintendo Switchなどでも用いられている一般的な手法です。

ラスタライズ法では、原則としてカメラが映している部分しか描画しません。描画部分以外のデータを消し、いわば“ハリボテ”のような方法で描画します。それゆえ光の照り返しや影、映り込み、鏡像などをうまく描画することができません。これまでの限られたGPU性能では、ラスタライズ法を使用することで、カメラが映している部分を綺麗に描画してきました。

一方、レイトレーシング法は日本語で光線追跡法とも呼ばれるように、カメラから3D空間にレイ(光線)を投射することで空間を認識してグラフィックスを描画する手法です。レイトレーシング法を使うことで、ラスタライズ法では難しい光の照り返しや影、鏡像などを上手く描画することができます。NVIDIAが発表したTuringではこのレイトレーシング法が採用されており、RTコアがレイトレーシング法で描画する役割を担っています。

NIVIDIAはレイトレーシング法を利用したゲームのデモとして、FPSの「Battlefield V」を用いています。この後の質疑応答に答える形で西川氏は「現時点で一番RTコアを活かしているのは『Battlefield V』。RTコア対応のメカニズムを作るのは難しく、他のゲームでは部分部分での簡単な使われ方だが、『Battlefield V』ではあらゆるところで使われている」と述べています(上掲スライド右上、車のボディに映る炎などはレイトレーシング法が活かされているとのこと)。

また、西川氏による「レイトレーシング」のより詳細な解説も。レイトレーシング法は多くのレイ(光線)を3D空間に投射、レイから情報を回収して空間を認識し描画する手法です。西川氏は自身が原画を描いたイラストを用いて、レイトレーシング法について詳しく説明しました。

このイラスト内では3種のレイが記されています。1種目は物体にぶつかり、その後光源にいくことで物体の位置を認識するパターン。2種目が床にぶつかり、その後光源を目指すが途中で物体にぶつかり影を生成するパターン。3種目が物体にぶつかった後に物体にぶつかり映り込みを判定するパターンです。レイがあらゆる方向に飛び、情報を得ることで空間を認識、描画を行います。

では、RTコアとは?

レイトレーシング法を実現するRTコアは大きく3つの仕事をします。

・レイの生成
・レイを3Dシーンの中で推進させる
・レイと3Dオブジェクト(物体)との衝突判定

RTコアは専用のハードウェアで、空間を認識するためのレイを生成、そしてレイを飛ばして推進、物体に衝突させて情報を得る、という一連の流れを行います。

また西川氏は、NVIDIAとエピックゲームズ(Epic Games)社が協力して行ったレイトレーシングに関する技術デモについても言及しました。こちらの「スター・ウォーズ」を題材にした動画ではリアルタイムレイトレーシング技術が用いられており、現実さながらのフォトリアルさを実現しています。

https://www.youtube.com/watch?v=J3ue35ago3Y

ここではRTコアの性能について解説。通常のCG映画であれば1ピクセル当たり数十レイ、多くて数百レイを投射します。上掲のデモ映像でレイトレーシングをする際に使用したのは前世代アーキテクチャ「Volta」。上掲のデモ時にはビデオカード4枚を使用し、1ピクセル当たり5レイの投射となっています。今回発表されたTuringコアでは、1枚のビデオカードで1ピクセルあたり80レイを投射することができるとのこと。レイトレーシングに関する飛躍的な性能向上が分かります。

VRとRTコアの相性は?

次に西川氏はVRとレイトレーシング法について、NVIDIAの発表や西川氏自身の考察を話しました。VRに関連するものとして真っ先に挙げたのは、視線追跡型レンダリング(フォービエイテッド・レンダリング/Foveated Rendering)です。この描画法をレイトレーシングに当てはめると、体験者が注視しているところにたくさんのレイを投射して高解像度で表示する一方、体験者が注視していない視野の外側はレイの投射数を減らし、あえて粗く表示するというもの。これにより「見ている人にあまり違和感を与えず、描画負荷が軽くする」という効果が見込めます。

VRヘッドセットで使用している光学レンズは外側が拡大されるタイプのレンズが使用されていることが多く、この光学レンズの特性に最適化した描画法についても述べていました。接眼レンズの中央にたくさんのレイを投射し、その外周は段々とレイを少なくすることでパフォーマンスを高く保つことができます。こうしたハードウェア的な面からも相性が良いとのこと。

また、西川氏は「長期的な目標」として「ライトフィールド」を挙げました。現在のVRヘッドセットの多くは2枚のスクリーンにそれぞれ映像を表示させ、視差により立体視を行わせています。「見えている場所を仮想しているので、目の見方が違う」と西川氏が指摘するように、実際とは異なる焦点の合わせ方や水晶体の使い方をしています。

これの解決策として考えられるのがライトフィールド。ライトフィールドは簡潔に言うと「現実世界の光線、光の場をすべて再現する」もの。これはレイトレーシング法なしでは難しいと考えられています。

NVIDIAは2013年ごろからライトフィールドを再現するVRヘッドセットの開発を進めており、網膜投射型のディスプレイや焦点距離に合わせて違う映像が見られるVRヘッドセットを開発しています。この技術の今後もかなり気になるところです。

Variable Rate Shading(可変レートシェーディング)

Turingコアで新たに実現したこととして、Variable Rate Shading(可変レートシェーディング)が挙げられます(レイトレーシングだけではなくラスタライズでも使用可能)。注視しているところは1×1ピクセルで細かく、注視しているところから離れるにつれ2×2ピクセル、4×4ピクセル……のように粗くライティング/シェーディングしていく、というものです。

VRヘッドセットへの応用例として、首を動かしたときや速い動きの物体は、ブレてしまうため、こういった場合は低解像度で描画する(=描画負担を下げ、自然にフレームレートを維持する)などが考えられます。「映像のクオリティは描画システム上落ちるが、フレームレートが早くなるので効果的」と西川氏は話していました。

続くページではSIGGRAPH 2018におけるVR/AR事情やハイエンド向けVRヘッドセット「StarVR One」に関する情報をお届けします。

(→次のページへ)

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