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業界動向 2018.06.08

「2022年までVRは年平均40%の成長」鍵を握る一体型デバイス

国際会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、年次レポートにて「2022年には、米国市場では5,500万台以上のVRヘッドセットが使用されているだろう」という予測を示しました。この数は2018年3月時点での米国におけるNetflixの契約者数とほぼ同じです。

レポートでは、VR市場は当初の伸びが期待を下回ったものの、今後一体型VRヘッドセットの普及や新しいコンテンツの登場により、年平均40%の成長が見込まれるとしています。

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今後5年間で年40%の成長

PwCは、VR市場は今後5年間で急速に売り上げを拡大すると期待を寄せています。2016年、米国での売り上げはわずか4.14億ドル(約455億円)でしたが、2022年には72億ドル(約7,900億円)まで拡大するとの予測です。

グローバルに見れば、今後5年間の年平均成長率は40%以上に上るとの見方を示しています。これは、次いで高い成長率が期待されるオンライン動画市場の10%という成長率に比べて、はるかに高い数字です。


(米国VR市場の売り上げ予測、PwC「Global Entertainmento and Media Outlook 2018-2022」より)

2016年のVR市場拡大は期待外れに

VRが様々な産業の寄せる期待に応えるまでは、時間がかかりました。2016年にはOculus Rift、HTC Vive、PlayStation VR(プレイステーションVR・PSVR)といった主要ヘッドセットがリリースされ、急速に普及することが期待されていました。しかしレポートでは「多くの関係者はモバイルアプリやソーシャルメディアのような急拡大を期待していたが、2016年末時点で、VR市場の拡大の遅さに失望した人も多くいる」と述べています。

その背景としては技術があまりに新しすぎたこと、そしてVRデバイスがユーザーを惹きつけるには高価だったことが挙げられます。今なお、一般消費者はVRヘッドセットをつけて動画を見たり、ゲームをすることには慣れていません。

新しいコンテンツがユーザー層を拡大

この流れを変えると期待されているのが、新しいコンテンツやゲームの登場です。ディズニー、ソニー・ピクチャーズ、Netflixといった多くの制作会社が、VR向けのコンテンツを出しており、質の高いタイトルも多くリリースされています。これらの作品が、アーリーアダプター以外のユーザー層も拡大すると期待されています。

PwCは、2022年、ゲームはVR市場の半分を、動画コンテンツは残りの大半を占めると予測しています。また動画の中では、スポーツ中継を特に有望視しています。


(米国VR市場の内容別売り上げ予測、PwC「Global Entertainmento and Media Outlook 2018-2022」より)

一体型ヘッドセット、VR体験施設もカギ

またPwCはハードウェアについて、Windows Mixed Realityヘッドセット(MRヘッドセット)や、Oculus GoVive Focusといった一体型ヘッドセットの開発が進むことにより、VRコンテンツへのアクセスも容易になるとの見方を示しています。2022年に米国市場で使用されているVRヘッドセットの約4割は、こうした新しい、使いやすいデバイスになるという予測です(初期のヘッドセットの大半が、PCに繋いで使うハイエンドデバイスだったことと対照的です)。

さらに、The VoidのようなVR体験施設、テーマパークもVRの普及に貢献するとしています。

VR/AR市場については様々な機関がレポートを発表しており、その多くは今後の急成長を予測しています。

(参考)QUARTZ


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