アップルのARKitやグーグルのARCoreといったスマートフォン向けのARフレームワークが登場し、AR市場は活気づいています。ARアプリやサービスの需要に応えるべく、ゲームエンジンUnityのイベントUnite Berlin 2018にて、新しいAR開発ツールが発表されました。現実の世界を舞台にしたリアルなARコンテンツを、コーディングなしに開発できるとしています。
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リアルなARコンテンツをコーディングなしに制作
新しいツールはUnityの機能を拡張するもので、「Project MARS(Mixed and Augmented Reality Studio)」と呼ばれています。
Unity LabsのXRリサーチディレクター、Timoni West氏は開発者向けイベントUnite Berlinの基調講演の中で「プロジェクトのモットーは『現実こそ我々のターゲット』です。言い換えれば、ただデバイスの中で機能するアプリを作ることだけを考えてほしくはないのです。そうではなく、どうしたら現実の世界で生き生きと動くアプリを作れるのか、考えてください」と話しています。
「Project MARS」は、開発者がオリジナルのARコンテンツをプログラミングなしに開発できる機能です。開発者はこの新しいツールを使って、物同士の距離や、平面のサイズといった空間に関するパラメーターを設定し、直感的に制作することができます。
West氏は「MARS以前は、コーディングなしには(デモのような)比較的簡単な内容も、設定することは困難でした」と説明しました。そして「MARSがあれば、複雑かつ複数の場所を舞台としたARコンテンツも作れます。開発から出来栄えの確認まで、机に座っているだけで可能です」としています。
「MARS」は今年秋にリリース予定です。
(MARSの説明は動画の20分頃から)
顔の動きを動画にする機能も
またカンファレンスでは、顔の動きを動画化する「Facial AR Remote Component」も紹介されました。iPhone Xの「TrueDepthカメラ」を使い、対象者の表情を高品質な動画でリアルタイムに再現します。
ソフトウェアのアドビ社やアマゾンなど、他にも複数の企業がARコンテンツ制作をより簡単にするツールを開発・発表しています。