大手消費財メーカーのユニリーバがNVIDIAの3Dコラボレーションプラットフォーム「Omniverse」を導入し、マーケティングコンテンツ制作の効率を大幅に向上させています。Omniverseのデジタルツイン技術により、製品イメージの作成速度を2倍に、コストを50%削減。ブランドの一貫性担保や購入意欲の増加も報告しています。
NVIDIA提供の「Omniverse」は、異なるソフトウェアツールで作成された3Dデータを統合し、デザイナーや開発者の遠隔コラボレーションを可能にするソフトウェアプラットフォームです。複雑だった3Dコンテンツ制作工程を簡略化し、企業の生産性向上とコスト削減に貢献するツールとして、拡大を推し進めています。
ユニリーバは、2030年への中長期戦略の一環として、NVIDIA Omniverseを導入し、マーケティングプロセスを変革しました。具体的には、製品のデジタルツインを作成。各デジタルツインには、製品の全バリエーション、ラベル、パッケージ、言語フォーマットが単一のファイルに統合されています。
導入効果は非常に顕著です。同社全体では製品イメージを従前の2倍の速度、かつ50%のコストで作成可能になったとしています。特に、美容&ウェルネス事業部門では、TRESemmé、ドヴェ、ヴァセリン、クリアなどの製品ラインで、コンテンツ制作のターンアラウンドタイムが65%短縮され、クリックスルー率は2倍に向上しました。またタイのTRESemmé部門では、コンテンツ制作コストが87%削減され、購入意向も5%上昇しています。
ユニリーバの最高成長・マーケティング責任者のEsi Eggleston Bracey氏は、「これは単なるコンテンツ量の増加ではありません。人々のニーズと欲求を深く理解し、創造性を持って実行し、欲求を大規模に生み出すことが目的です。当社の製品ツインは、どこにでも正確かつ一貫して展開できるため、ブランドに沿ったコンテンツがより速く生成されるようになりました」と語っています。
同社は500以上のAIアプリケーションの活用にも取り組んでおり、今後もブランドの需要を加速させるDX活用を進める方針です。
(参考)プレスリリース