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活用事例 2025.04.10

米国で高齢者向けVRサービスが急拡大 150の高齢者施設に展開へ

米国の高齢者向けXR活用ケアを提供するMynd Immersiveは、2025年の第1四半期に同社のサービスを全米150か所の高齢者居住コミュニティに拡大したことを発表しました。この拡大は、高齢者向けVRケアとしては過去最大規模の展開で、現在は週平均で25のコミュニティにサービス導入とスタッフ向けトレーニングを実施しているとのこと。今後も拡大を続けると見られます。

Mynd ImmersiveはXR技術を活用し、高齢者向けのヘルスケアサービスを提供しています。VRヘッドセットを通してまるで実際にその場にいるかのような体験を提供し、高齢者の身体的・認知的・感情的な健康維持を目指しています。

同社はVRデバイスメーカーHTC VIVE、米大手通信事業者AT&Tなどとも提携。リハビリ等にはHTC VIVE製の超軽量⼩型VRグラス「VIVE Flow」やVRヘッドセット「HTC VIVE XR Elite」を採用し、約100種類の没入型コンテンツを配信提供しています。

Mynd Immersiveが提供する「MyndXR」プラットフォームでは、高齢者がVRを使ったリハビリを体験できます。このサービスでは、日常生活の動作練習、運動機能の改善、認知症の進行を緩やかにするための取り組みなどが行われます。また、施設のスタッフ向けにもVRを活用したトレーニングを提供しており、施設全体のケアの質向上も狙っています。

同社CEOであるクリス・ブリックラー氏は、「高齢者の生活の質をVRが大きく向上させる可能性を早くから認識していました。今では、MyndXRが医療提供の重要な一部となり、実際の治療効果や認知機能の改善に役立っています」と語っています。

国内外で進む、福祉分野のVR活用

高齢者向けのVRサービスは、各国で様々な形で展開されています。日本国内では一般社団法人デジタルステッキが高齢者向けのVR旅行を提供し、障がい者向けにも支援を拡大するなど、福祉分野でのVR活用も進んでいます。

海外の例としては、イギリスのVR企業は終末期医療の患者向けに、過去の思い出の場所を訪問できるサービスを提供していました。また米国のRendeverは、VRを活用した社会的孤立感の解消に取り組んでいます。利用者は幼少期を過ごした家や結婚式場といった思い出の場所を複数人でVR上で訪問可能。施設内の他の利用者やスタッフとVRを通して交流を深めることができます。

(参考)AuganixMynd Immersive


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