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テック 2019.06.04

「目に見えないコンピューティング」のMojo、0.48ミリの極小ディスプレイ発表

米国のスタートアップMojo Visionは、世界最小を謳うマイクロLEDディスプレイのプロトタイプを発表しました。スクリーンサイズ0.48ミリメートルというその小ささは、同社が目指す”invisible computing(目に見えないコンピューティング)”への第一歩と期待されています。

目に見えないコンピューティングを目指す

Mojo Visionは、アップル、アマゾン、グーグル出身のエンジニアらが設立したスタートアップです。これまでに累計で1億ドル超の資金調達を行っています。
事業の目標は、ユーザーがスマートフォン、タブレットやウェアラブルデバイスを含むあらゆる機器を用いずに、情報入手する技術を確立すること。同社はこれを、”invisible computing(目に見えないコンピューティング)”という言葉で表しています。

コンタクトレンズ搭載可能なサイズ

同社はカリフォルニアのサンタクララで開催されたAugmented World Expo(AWE)2019にて、モノクロマイクロLEDディスプレイのプロトタイプを発表しました。1インチあたりの画素数は14,000ppi。史上最小かつ最高密度のディスプレイを謳っています。

特筆すべきはそのサイズです。Mojo Visionが目指す”invisible(目に見えない)”とまではいきませんが、スクリーンサイズはわずか0.48ミリメートル。コンタクトレンズにも搭載できる大きさです。また画素ピッチは1.8μm、静止映像だけでなく動画を映すことも可能です。

人々をデバイスから解放するディスプレイ技術

Mojo VisionのCTO Mike Wiemer氏は、今回のディスプレイがモバイルプラットフォームにおける情報の扱い方を変える、重要な第一歩だとしています。「今日のデバイスは我々を縛り付けており、個人間のやり取りの障壁を作りがちです。煩わしさを解消するためには、情報伝達の仕方を再考しなければなりません。当社のチームはこの目標を意識し、新たなディスプレイ技術を作り出しました」と同氏は述べています。

またマイクロLEDの特長として、LCD(液晶)と比較して電力効率が高いことが挙げられます。つまり、デバイスが必要とするバッテリーのサイズが小さくて済むのです。またOLED(有機EL)より明るいというメリットもあり、屋外での使用においてアドバンテージを持ちます。

ディスプレイ部門トップのPaul S. Martin氏は、次のように説明します。「画素ピッチの小さいスクリーン開発により、ほとんど”目に見えない”低消費電力のディスプレイが実現できるでしょう。現在のモバイル機器が引き起こす邪魔もありません。今回のプロトタイプは、よりシームレスなAR体験を生み出せるというマイクロLEDの可能性を示しています」

ディスプレイの詳細については、後日発表予定です。

小型化の鍵をにぎるディスプレイ技術

AR/VRデバイスの小型化とそれを実現するディスプレイ技術については、各社が研究開発を続けています。

(参考)Next Reality


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