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テック 2022.07.13

KopinがAWEにてVR向け新型パンケーキレンズとOLEDディスプレイを展示、その実力は

マイクロディスプレイ等を開発するKopinは、最新のVR向けOLEDディスプレイとプラスチック製パンケーキレンズを公開しました。次世代VRヘッドセットに重要な要素として注目される、レンズの実態に迫ります。

パンケーキレンズは、VRヘッドセットの小型軽量化の重要なファクターとして期待を集めています。現行VRヘッドセットの多くが採用するフレネルレンズと比較した場合、パンケーキレンズはレンズとディスプレイをより近づけて配置でき、小型軽量化に一役買うのです。

小型軽量化の鍵となる「パンケーキレンズ」、実用化にはまだ課題?

Kopinは2022年6月1日から6月3日まで開催された「AWE USA 2022」にて、新たなプラスチック製パンケーキレンズとVRディスプレイのフラッグシップモデルを展示しました。パンケーキレンズは、同社が2021年6月に発表した「P95」と呼ばれるモデル。ディスプレイとレンズ間の距離を17ミリメートルにまで縮めることができ、視野角は95度。またガラス製レンズと比較し、価格や重量、耐久性、柔軟性といった点で優れています。

米メディアRoad to VRの記者によれば、今回の展示では視界の隅まで鮮明なイメージを見ることができました。一方で、ディスプレイの明るさやパンケーキレンズの効率に関する情報は得られなかったとのこと。

パンケーキレンズはその仕組み上、従来レンズやフレネルレンズと比較して採光効率の低下することが懸念されています。これは従来より多くの熱とより多くの電力消費が必要となることを意味しており、ヘッドセットで採用する際のトレードオフになると考えられます。
また視野角についても、現状ではやや不足気味。95度という数字が仮に対角視野角であった場合、最多シェアのMeta Quest 2や今後発売予定のPlayStation VR2(PSVR2)の持つ対角110度よりも小さい数値です。現行機種のスペックに追いつく、または現行をしのぐためには改善が必要となるでしょう。

次世代VRヘッドセットに向けては、Metaがホログラフィックレンズとパンケーキレンズを兼ね備えた次世代光学系の開発を進めるなど、技術競争が一段階進んでいます。実用化に向けてKopinがどう頭角を現すのか、要注目です。

(参考)Road to VR
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