KDDIと凸版印刷は、MRグラス「NrealLight(エンリアルライト)」を活用した実証実験を10月18日まで開催中の「CEATEC 2019」のKDDIブースで展示中です。
同実験は、中国のスタートアップNreal LTD.が開発したNrealLightをベースに、今後の5G普及がもたらす変化を見据えたもの。XR技術による時間と空間を超える体験の創出に向けて、NrealLightを活用した技術実証および市場の受容性を検証するとしています。
国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」をVR作品化
KDDIと凸版印刷は今回、NrealLightに最適化したデジタルコンテンツ「AR Museum 国宝 八橋蒔絵螺鈿硯箱」を開発。あたかも目の前に硯箱があるかのように内側の意匠も鑑賞することができます。また、通信とデバイスの組み合わせにより、場所を限定することなく国宝を鑑賞できるようになっています。
(画像:VR作品『日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺・八橋蒔絵螺鈿硯箱』。監修:東京国立博物館、制作:凸版印刷株式会社)
国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」とは
「八橋蒔絵螺鈿硯箱」は東京国立博物館が所蔵する国宝で、江戸時代後期に尾形光琳によって作成された硯箱です。
外側は「伊勢物語」の一節三河の国八つ橋の情景が描かれ、内は光琳波と呼ばれる意匠で装飾されています。光琳波は当時、最先端のデザインとして人気を博しましたが、博物館の展示では閉じた状態で展示されることが多く、外側しか見ることができませんでした。
今回開発した「AR Museum 国宝 八橋蒔絵螺鈿硯箱」は、国宝の外側・内側の意匠や内部構造まで完全デジタル化されており、4Kクオリティで鑑賞することができます。