2019年10月に国内公開されたキアヌ・リーヴス主演の映画「ジョン・ウィック:パラベラム」の撮影において、VRが活用されています。
アクションシーン用のセット検討にVR
「ジョン・ウィック」は2014年に第1作が公開された人気映画シリーズ。キアヌ・リーヴス演じる凄腕の殺し屋ジョン・ウィックが、様々な相手と死闘を演じます。
最新作となる「ジョン・ウィック:パラベラム」の撮影では、ゲームエンジン「Unreal Engine」上で制作された撮影用セットの検討にVRが使われています。本作のコンセプトイラストレーターであるアレックス・ナイス氏によれば、作中のワンシーンで使われるガラス張りの建物のセットを2Dではなく3DCGで制作、VRデバイスを用いてライティングなどを検討したとのこと。
制作チームはこの「バーチャル撮影用セット」とVRを使うことで、実物のセットを作る数カ月前から検討に入ることができました。セットの検討にはチャド・スタエルスキ監督や俳優陣も参加。アレックス・ナイス氏は「複数の3Dモデルを作ることで、実物セットの製作許可もスムーズに下りた」と説明しています。
進む映画撮影でのVR活用
2019年10月現在、映画製作でVRが活用されるケースはまだ少数に留まっていますが、そのなかでも大きな注目を集めたのが、フルCG映画「ライオンキング」の撮影でのVR活用です。同作の撮影現場では、CGの中にVRで入り、現実のセットにいるような感覚で映画製作を行うという手法が使用されました。
ナイス氏は「VRは、映画撮影のデザイン分野で確固たる地位を築くと感じています」と、YouTubeのメイキング動画でコメントするなど、こうした手法に対し高い評価を与えているようです。
(参考)CinemaBlend