インドの大手通信事業者Reliance Jio(リライアンス・ジオ)は、同社のネットワークサービスで利用できるARヘッドセット「Holoboard」を発表しました。買い物やエンターテイメントといった一般ユーザー向けのデバイスで、Reliance Jioによると“とても入手しやすい価格での発売”が予告されています。
マルチユーザーコンテンツも目指す
ヘッドセットはインドのスタートアップTesseract製。外観は米国のARヘッドセットメーカーMeta社の製品に類似しており、ハンドコントローラーを備えています。
ウェブサイトの情報では、Holoboardの視野角は90度。3Dコンテンツは目の部分にある半透明の箇所に投影されます。Tesseractはマルチユーザーや永続性のあるコンテンツに向け、ARクラウドのプラットフォームも開発中とのことです。
リリース日、価格は不明も「非常に近いうちに、求めやすい価格で」
Reliance Jioは年次株主総会の中でこのデバイス”Holoboard”を披露しました。説明された用途は、ショッピング、教育、エンターテイメントなど多岐にわたります。例えば買い物では購入前に服の色やスタイルを試すバーチャル試着、教育では太陽系のバーチャルイメージでスペースシャトルの軌道を確認する、といった例が示されました。
エンターテイメントの実演では、家庭用TVサイズから劇場のスクリーンまで自由に大きさを変化できるバーチャル画面が登場。Magic Leapが提案する「仮想スクリーン」と似たエクスペリエンスです。
Reliance Jioのネットワークは2019年9月5日に稼働開始予定ですが、デバイスのリリース日や価格情報は明らかになっていません。同社によると「非常に近いうちに」「とても入手しやすい価格で」提供するということです。
進む通信大手とデバイスメーカーの提携
通信事業者とAR/MRデバイスメーカー提携の事例としては、米通信大手AT&T;とMagic Leapの提携や、同じくMagic Leap へのNTTドコモの出資、KDDIとnrealのパートナーシップ締結などがあります。一般ユーザーへのデバイス普及でどの陣営が先駆けるのか、今回の発表でまた新たなプレイヤーの登場となりそうです。
(参考)Next Reality