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活用事例 2019.11.14

世界最大の輸送会社FedEx、研修にVRを活用 学習効率や離職率改善に効果

世界最大の総合航空貨物輸送会社であるフェデックス(FedEx)。そのグループ子会社であるFedEx Groundでは、VRによる業務研修の導入が進んでいます。VR研修により、学習効率の改善・安全性の向上・研修コストの削減などが期待されます。


(Photo by FedEx Ground)

VR研修の導入で学習効率や安全性を向上

FedEx Groundにおける業務研修は現場で行っていましたが、新人がひと通りの作業をできるようになるまで時間がかかること、作業内容のハードさから離職率が高いことが課題となっています。

これらの課題を解決するため、FedEx Groundのトラック配達部門ではVRを活用し、作業員が効率よくかつ安全に研修することを重視。VR研修の導入により、作業員は現場に立つ前に研修を行うことができます。

VRを活用した業務研修は決して目新しいことではありませんが、近年のVR技術の発達のおかげで、安価で軽量なヘッドセットやトレーニングシステムがさまざまな企業で利用可能になりました。FedEx GroundではVR研修プログラムの作成にあたり、VRトレーニングシステムを開発するStrivr社と提携。同社はウォルマートやBMW、Verizonとも取引実績があります。

Strivr社のシステムにはアイトラッキング(視線追跡)機能が搭載されており、作業者の多くが荷物の積み下ろし中に誤った場所を見ていることに気がつきました。このことは業務内容の学習だけでなく、安全確保の問題にも役立っています。さらにFedEx Groundの人事担当副社長・Denise Abbott氏によれば、VR研修による学習定着率は、従来の研修方法と比べて顕著な改善が見られたとのこと。

研修時間の短縮にもVRは有効

学習効率の向上や安全性、コスト削減のほか、VR研修では学習時間の短縮も期待できます。Strivr社のCEO、Derek Belch氏はウォルマートでの例として、それまで8時間かかっていた研修項目のひとつが20分にまで短縮されたことを挙げました。また同氏は「学習効果が大変高いのに加えて、若い従業員ほどVR研修を希望します」とも語っています。

(参考)IEEE Spectrum


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