Home » フェイスブックR&Dトップが語る次世代VRへの道 ARグラスには慎重姿勢


業界動向 2020.01.04

フェイスブックR&Dトップが語る次世代VRへの道 ARグラスには慎重姿勢

Facebookの研究開発部門Facebook Reality Labでチーフサイエンティストを務めるマイケル・エイブラッシュ氏は、メディアThe informationの取材に応じました。

コンシューマー向けのARグラス登場までは5年以上という慎重な見方をする一方、次世代VRは必ずフェイスブックが開発すると自信を見せました。

ARグラス-登場はまだ先のこと

インタビューでは主に、一般ユーザー向けのARグラスに関するやり取りが行われました。今後数年間でARグラスが普及するという意見もある中、エイブラッシュ氏は、魅力的なARグラスの登場まで5年以上は要するだろうと述べました。

特に同氏が「最も難しい点」として挙げるのが、入力システムの開発です。ARデバイス操作のためにコントローラーを持ち歩くのは非現実的ですし、町中で音声やジェスチャー操作を行いたいユーザーはいないでしょう。

「結局人々が本当に望んでいるのは、脳と知覚の働き同様に動作するインターフェースです。『この人の声を聞きたい』と(ARグラスに)指示するのではなく、喧騒の中でもデバイスが状況を把握。ユーザーが誰と話したいのか推測し、その声を拾う、といったものです」とエイブラッシュ氏は話しました。

技術的障壁が解決されれば、ARグラスはスマートフォンに取って代わる、というのがエイブラッシュ氏の見通しです。ただし時間軸としては、2030年代或いは2040年代になるかもしれない、との見方を示しています。

VR-次の時代はフェイスブックが作る

このようにARグラスに関し慎重な立場を取る一方、エイブラッシュ氏はVRの将来に強気な姿勢を崩しません。フェイスブックが他社を圧倒する投資を行ってきたと強調し、「VRの次の時代が来るのは、我々が投資や開発を行ってきたためです。その他の理由は考えられません」と主張しました。
「私は、VRはAR同様に重要なものだと考えています。ARは電話に取って代わるでしょうが、VRはPCに代わるものとなるでしょう」というのがエイブラッシュ氏の見方です。

Valveのゲーム配信プラットフォームSteamの行うハードウェア利用状況調査では、フェイスブック傘下のOculusのヘッドセットが半数を占めています。一体型VRヘッドセット市場でも強力な競合は見当たらず、VRへの自信になっていると考えられます。

次世代VRはいつ登場するのか?

次世代VRがフェイスブックによりもたらされるとして、それはいつになるのでしょうか?2019年9月のOculus Connect 6にて、エイブラッシュ氏自身は「(次世代VRの登場は)すぐではない」と認めています。

これまでにも同氏は革新的なVRデバイスの登場を予測してきましたが、その時期はたびたび後ろ倒しに修正されています。過去の発言内容からすると、次世代VRの実現には少なくとも3年程度はかかるのではないか、とメディアUpload VRは推測しています。

Facebookの最新技術については、下記の記事でも紹介しています。

(参考)Upload VR


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード