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テック 2019.09.20

5Gでの“VRストリーミング”は実現するか、クアルコムグループ企業ら共同で取り組み

大容量・高速のデータ転送ができる次世代通信規格「5G」。様々な業界から活用が期待されている5Gは、VR分野でも「ヘッドセットの無線化」や「PCの不要化」といった点で注目されています。

2019年度の「Enterprise Wearable Technology Summit(EWTS)」にて、新コンセプトのVR接続/PCである「Boundless XR」を使ったデモが出展されました。次世代通信規格5Gを活用したVRコンテンツをユーザーに提供することをコンセプトとしています。

このシステムは、VRヘッドセットメーカーであるPico Interactive、自動車業界向けソフトウェア開発企業のZeroLight、そしてQualcomm Technologiesの3社が手がけています。展示イベントでは、高解像度のキャデラックなどの車を、様々な角度から無線VRで体験するデモが設置されたとのこと。

5Gで良質なVRコンテンツが体験可能となるか?

「Boundless XR」には、PicoによるプロトタイプのVRヘッドセットが使用されています。ヘッドセットに搭載されたQualcomm(クアルコム)のプロセッサにより、VRヘッドセットとPCを無線接続し、VRコンテンツはPC側で処理・レンダリングを行います。

これは5Gを活用したVR体験の前身にあたるものであり、5Gバージョンではローカルのハードウェアではなく5GMEC(※)を使った構成になるとのこと。

(※MEC/Mobile Edge Computing……基地局などにコンピューティングリソースやストレージを配備し、アプリなどの提供を可能にする仕組み)

米メディアVRFocusは、「Boundless XR」は法人向けPCレベルの演算能力を、一般ユーザーに提供することが目的であると説明。無線接続のVRヘッドセットで、品質の高いコンテンツを体験可能にすると解説しています。


(ZeroLightによる「未来のVR」予想図。上掲の「Boundless XR」とは異なり、手元のPCと接続する必要がなくなる)

この「Boundless XR」について、Qualcomm Technologiesのプロダクトマネジメント・シニアディレクターであるBrian Vogelsang氏は、以下のようにコメントしています。

ZeroLightの法人向けソリューションは、商用としてとても高いポテンシャルを示しています。5G通信の未来のために基礎を作ることは、一般ユーザーと法人の双方に、没入感のあるワイヤレスのXR体験をお届けする助けとなるでしょう。

(参考)VRFocusZeroLight

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