3月24日、Epic GamesのCEOティム・スウィーニー氏が、従業員に向けて大規模なレイオフを発表しました。1000名以上の従業員が対象ですが、AI導入による代替ではなく、支出を大幅に抑えるための経営改善が目的です。
Epic Games(エピックゲームズ)は、「フォートナイト」や「ロケットリーグ」を開発・運営するゲーム会社です。特に「フォートナイト」は世界中で人気があり、2024年のディズニーとの戦略的提携を機にマーベルやスター・ウォーズといった超有名IPから、レゴ、さらにはファッションブランドまで、多岐にわたるコラボレーションを展開しています。
この巨大なプラットフォームを支えているのが、同社が開発したUEFN(※Unreal Editor for Fortnite、ゲームエンジン「Unreal Engine 5」の機能をフォートナイト専用にカスタマイズしたPC向けの開発ツール)です。プロ仕様のゲーム開発エンジンで、個人クリエイターやスタジオが独自に高品質なゲームを制作・公開できます。また、クリエイター・エコノミーとして、収益の40%をクリエイターに分配する仕組みを導入し、「遊ぶ場」であったフォートナイトを「誰でもビジネスができる場」へと転換させました。
UEFNによって誰もがビジネスをできる場を作りましたが、そのエコシステムの構築(クリエイターへの還元など)や、モバイル市場への再挑戦といった将来への巨額投資が、短期的には経営を圧迫する要因となったと考えられます。「稼ぐ以上に使っている」という経営状況が、今回の1000名以上のレイオフにつながりました。
一方で今回のレイオフについて「AIとは無関係であり、AIが生産性を向上させるのであれば、私たちは可能な限り多くの素晴らしい開発者を抱え、優れたコンテンツや技術を開発してもらいたいと考えている」とCEOティム氏はコメントしています。
こうした社内的な要因の他に、成長の鈍化、消費の低迷、経済の悪化といった、ゲーム業界に共通した外的要因があります。CEOティム氏は今日の市場環境について、「初期の頃以来の、最も過酷なものである」とコメントしています。
近年の業界状況を物語っている例として、今月の老舗VRゲームスタジオnDreams、2025年のFast Travel Gamesの従業員レイオフがあります。
大規模な人員削減という痛みを伴いつつも、CEOティム氏は同社のロードマップを明言しています。今後は「フォートナイト」の体験価値向上と、次世代エンジン「Unreal Engine 6」への移行を柱とした開発支援の加速に注力する旨を表明しており、また年末には大規模なプロジェクトの始動も予定されています。
参考
https://www.epicgames.com/site/en-US/news/todays-layoffs
