アラブ首長国連邦（UAE）最大級の銀行、エミレーツNBDは、メタバース関連スタートアップを支援するグローバルなアクセラレータプログラムを発表しました。マイクロソフト等も協力し、7月に公表したドバイのメタバース戦略を後押しします。
（画像：エミレーツNBD）
アラブの国家戦略と足並み揃える
エミレーツNBDはドバイの政府所有金融機関。今回のプログラムは、同行初のメタバースに関する取組となります。エミレーツNBDは、取引の94%が物理的な店舗以外で行われていることを指摘し、顧客体験をより良いものにするため、バーチャル空間活用などのデジタル新技術を追求します。
（画像：エミレーツNBD）
また、ドバイは2022年7月、“5年後に、世界でトップの「メタバース国家」になる”こと等を掲げた戦略を打ち出しています。エミレーツNBDのアクセラレータプログラムはこの方針にも沿ったものです。
10月にピッチ、スタートアップ発掘狙う定
プログラムでは、次の3つの観点からスタートアップの発掘を狙います。まず、3D空間への移行を円滑に進めるために技術を蓄積すること。次に、メタバースでの顧客体験を実現するバーチャル空間を構築すること。そして、顧客がデジタル資産やサービスを創り、マネタイズし、売買するための分散型支払いインフラを構築することです。
アクセラレータプログラムの期間は10週間を予定。選考に残ったスタートアップは、10月に中東・アフリカ最大のIT展示会GITEXでピッチを行います。
マイクロソフトの動向にも注目、アラブで存在感発揮か
プログラムはDIFC（Dubai International Financial Centre）が運営するインキュベーションセンターと共同で行い、マイクロソフトが技術協力します。ローンチイベントの会場としてAltspaceVRを用いている様子も見られます。なお、マイクロソフトは、ドバイのメタバース戦略発表とほぼ同時期にUAEでのMRデバイス「HoloLens 2」発売を発表しました。今後同地域でマイクロソフトのプレゼンスが高まる可能性があります。
（参考）Emirates NBD
