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投資 2022.08.19

手軽にプラットフォーム横断できる3Dアバターを 日本のDENDOHが資金調達

8月18日、株式会社DENDOHが総額6,030万円の資金調達を実施しました。同社は「プラットフォーム横断的に3Dアバターが作れるアプリ」を開発中の企業です。今回得られた資金は、新たなメタバースアバタープラットフォーム「molz(モルツ)」の開発および運営や、クリエイターの採用強化に使用される予定です。


(「molz」およびアバターアプリのコンセプトイメージ。 画像:DENDOH)

本調達はプレシードラウンドで実施され、W ventures株式会社、SBIインベストメント株式会社、F Ventures LLP、三菱UFJキャピタル株式会社、及びエンジェル投資家橋田一秀氏を割当先とする第三者割当増資です。外部からの増資による資金調達は、DENDOHにとって今回が初めてとなります。

アバターを複数ファイル形式で出力、プラットフォームを横断

DENDOHは、2019年11月に設立した日本のスタートアップ企業です。3Dアバタープラットフォーム「molz(モルツ)」の開発に取り組んでいます。

「molz」は、アバターを複数のファイル形式で出力することにより、様々なバーチャル空間で横断的に利用可能なアバターを簡単に作成・管理するアプリケーションサービスです。「molz」内でアバターにオリジナルのストーリー設定を加え、キャラクターIP(知的財産)のプロジェクト作成もできるプラットフォームとしての運営も目指しています。

海外でも横断的アバター作成の需要、統一規格や写真一枚からの生成も

複数のバーチャル空間プラットフォームの盛況に伴って「他のサービスやバーチャル空間にも、ひとつの同じアバターを持ち込みたい」という需要は世界中で高まっています。

例として、エストニアのスタートアップ企業Wolf3Dは、3DアバターシステムReadyPlayerMeを展開。1,000以上のプラットフォームやサービス、ゲームと提携し、ReadyPlayerMe製のアバターが共通で使える場を拡大しています。


(画像:Wolf3D)

加えて、3Dアバターの作成を容易にすることも今後の課題となっています。上述の「ReadyPlayerMe」や、韓国Never Zが運営するスマートフォン向けアプリ「ZEPETO」では写真一枚からアバターの作成ができます。

3Dアバターの標準規格の統一も模索されています。一般社団法人VRMコンソーシアムは、VR向け・3Dアバターファイルフォーマット「VRM」を提唱。国内外問わずAR、VRなどの3Dアバターを活用する市場がさらに躍進できる環境を構築することを目指しています。

現在複数のバーチャル空間サービスやゲーム、プラットフォーム等が存在する中、体験者のアイデンティティとして大きな側面を持つ「アバター」を手軽に作成するサービスや共通規格の拡大は続くと見込まれます。

(参考)プレスリリース


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