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活用事例 2018.01.25

ダボス会議がVR導入 各国リーダーに地球規模の問題を意識づけ

世界各国の政財界のリーダーが一堂に会する「ダボス会議」を運営する世界経済フォーラムはHTC VIVEと提携し、同社のプロジェクトである『VR/AR for Impact』を世界各国のリーダーに対して提供することが明らかとなりました。

『VR/AR for Impact』は「持続可能な開発目標(SDGs)」に対してインパクトのあるVR/ARを支援するプロジェクトで、これを各国のリーダーに提供することによって、人類が直面している問題への意識が高まることが期待されます。

「ダボス会議」は毎年1月下旬に世界経済フォーラム(WEF)の年次総会としてスイスで開催され、世界を代表する政治家や実業家が世界情勢の改善に取り組むための議論を行なっています。

そして今回、そのダボス会議にHTC社のプロジェクトである『VR/AR for Impact』が導入されることになりました。『VR/AR for Impact』は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals=SDGs)の解決策となったり、問題提起を行うVR/ARコンテンツをHTC社が支援するプログラムです。現在までに総額1,000万ドル(約11億円)が投入されています。

提供されたVR作品

2018年度のダボス会議では『VR/AR for Impact』のプロジェクトでサポートされている全6作品が紹介されました。

OrthoVR

3Dスキャナーと3Dプリンタを利用して、より体にフィットした義足を貧しい子供たちに提供しているNia Technologies によって作られたVRソフトです。スキャンしたデータを編集する際にVRを利用することで、作業の正確性を向上させることに成功しました。
http://niatech.org/

Extraordinary Honey Bee

『Extraordinary Honey Bee』は、世界的なミツバチの現象と、食糧難、それに世界的な人口増加に伴って訪れる危機を学ぶためのVR映像です。
https://vimeo.com/251408903/539884eb01

ブランク・キャンバス

『ブランク・キャンバス』は、バイオエンジニアリングの最先端の探究をわかりやすくVRで解説したものです。高度な視覚化技術を使用して、遺伝子治療などの実質的な飛躍を推進するために利用されている細胞および分子メカニズムなどを知ることができます。
https://www.blankcanvas.bio/

LIFE

LIFEは、あらゆるタイプの医療従事者に対して、緊急事態のシミレーショントレーニングを提供するVRソフトで、オックスフォード大学によって開発されました。パーソナライズされたシミュレーショントレーニングと高度な学習分析をおこなうことができ、発展途上国で人命救助の知識を広めるのに活用されています。
https://oxlifeproject.org/

Tree

Treeは、地球温暖化への最大貢献者の1つである荒廃した森林破壊の現実を照らし出したVRコンテンツです。熱帯雨林に遭遇する悲劇的な運命に視聴者を没頭させ、非常に高く評価されました。
https://www.treeofficial.com/

Yawanawa

アマゾンに住むアワヴェナという女性を主人公に、人々、森林などの生態系の危険性や種の絶滅の危機について触れていくVR映画です。
http://www.awavenavr.com/

人類や抱える問題の解決へ

HTCの会長兼CEOであるシェール・ワン氏は「今日、世界が直面している課題はかつてないほど深刻であり、人類はそれを深く理解する必要がある。VR/AR for Impact は私たちが人類が直面している問題や世界を学び、共感し、変革するのを助けることができます。」というコメントを発表しました。

(VR/AR for Impact 公式ページ)
https://vrforimpact.com/

(参考)
HTC VIVE and World Economic Forum Partner For The Future Of The “VR/AR For Impact” Initiative – VIVE Blog
https://blog.vive.com/us/2018/01/22/htc-announces-vr-for-impact-initiative/


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