中日新聞は、VRChatを活用した新たなメタバースのワールドを公開しました。このプロジェクトは、VRChat内に再現された戦争遺跡を巡り、ユーザーが仮想空間で過去の歴史を学ぶことを目的としています。これまで同社は、DOORというブラウザでアクセスできるプラットフォームを通じて、戦争遺跡の簡易な3Dモデルを用いた体験を提供していましたが、今回はより没入感のある体験が可能なVRChatを採用しています。
このワールドは、中日新聞が展開する「語り続ける戦争遺跡」プロジェクトの一貫としてオープン。メタバースを利用して、ユーザーが仮想空間で戦争遺跡を体験しながら歴史を学ぶことを目的としています。
VRChatは、米国発のメタバースサービスで日本でも日産やサンリオ、横須賀市など企業・自治体が多く活用しています。今回のプロジェクトでは、中部地方各地の戦争遺跡を、記者が取材として現地で3Dスキャンしたものをギャラリー形式で展示。ユーザーはその空間を自由に移動しながら、当時の状況や歴史的背景について動画やテキストを交えて学ぶことができます。
DOORを使った過去のプロジェクトは今回のVRChat版の簡易版のようなものになり、VRCha主にスマートフォンやPCなどからもアクセス可能です。戦争遺跡の一部を3Dモデルとして再現し、ユーザーが手軽に体験できるように工夫されていましたが、再現されたモデルは限定的でした。今回のVRChatを使ったプロジェクトでは、より大規模なものなど没入感のある充実した体験が可能になっています。
軍艦島や安土城など、歴史的な建造物や遺跡を3Dスキャンしてアセット化し、それをVRやメタバースで体験できるようにする取組は徐々に増えてきています。実際に訪れることが難しい場所や、時間とともに風化してしまう歴史的遺産をデジタルアーカイブとして保存し、後世に伝える方法としても注目を集めています。
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