Home » Oculus CTOカーマック氏、同社の顧問職へ。一線退くことを明言


業界動向 2019.11.15

Oculus CTOカーマック氏、同社の顧問職へ。一線退くことを明言

OculusのCTO(最高技術責任者)ジョン・カーマック氏は、同社の顧問CTO(Consulting CTO)職へ就任することを明らかにしました。開発の一線を退き、Oculusでの業務時間を「ごくわずかな」ものすると言います。

フェイスブックVR事業のキーパーソン

ジョン・カーマック氏は、Oculus(現在はフェイスブック)のVRプロジェクトに最初期から携わっているプログラマーです。ゲームにおけるFPSジャンルの生みの親であり、コンピュータグラフィクスに関する数々の実績でも知られています。

Oculus Riftがクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で開発費支援を募集開始した頃にはプロジェクトに参加。Oculus RiftがSDK無しのプロトタイプ版であった時からの開発者でもあります。

またサムスンと共同開発のGear VRのソフトウェア部分を担当し、スマートフォンをベースとしながらも高品質なVRの実現に大きく貢献しました。2017年には、一体型VRデバイスOculus Goの設計に携わっていることも明らかにしています。直近では、VR Award 2019にて生涯業績賞(Lifetime Achievement Award)を受賞しました。

今後取り組むものは

自身のフェイスブックで公表した内容によると、Oculusの業務は継続するものの、その比重は著しく低下。今後はVR以外の課題に取り組むと言います。

今週から、私はOculusの「顧問CTO」職に異動します。引き続き開発業務に発言権を持ちますが、ごくわずかな時間しか割かない予定です。(中略)今後は、汎用人工知能(Artificial General Intelligence、AGI)に取り組もうと思います。
2019年11月14日付フェイスブック投稿より引用)

次々とフェイスブックを去る初期のメンバー

カーマック氏はOculusの創業メンバーではありませんが、フェイスブックによる買収前の2013年からCTOとして参画。毎年開催される Oculus Connectで2時間ノンストップの基調講演を行うなど、存在感は際立っています。

Oculus創業メンバーは、2019年8月のネイト・ミッチェル氏を最後に全員がフェイスブックを去りました。カーマック氏の異動がフェイスブックにどのような影響を及ぼすのか、現時点では分かっていません。

これまでの講演やインタビューでの同氏の発言は、下記の記事でも紹介しています。

(参考)Road to VR
Mogura VRはRoad to VRのパートナーメディアです。


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード