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「少なくとも誰かが愛するものを作れ」Oculusを支える伝説のプログラマーからのメッセージ

既存のゲーム・アプリ開発と異なるVRゲーム・アプリ開発に、世界の多くの開発者が日々頭を捻りながら取り組んでいます。

OculusのCTOジョン・カーマック氏は、VR開発者に向けた興味深いコメントをFacebookに投稿しました。本記事ではそのコメントを紹介します。

Oculusを支える伝説のプログラマー

2012年のクラウドファンディング以来、Oculus社はVR業界を牽引しています。そのOculus社で2013年からCTOを務めているのがジョン・カーマック氏です。カーマック氏は、『Doom』、『Quake』といったゲームの主任プログラマを務め、FPS(ファーストパーソン・シューティング)というゲームジャンルを築いた伝説的なプログラマーとして知られています。

カーマック氏は、Oculusでは主にモバイルVR分野の開発に注力しています。スマートフォン向けのGear VR(2015)、一体型のOculus Go(2018)の開発などに注力し、PCに比べてプロセッサが非力で制約の多いモバイルVRのパフォーマンスを驚異的に向上させてきました。

https://www.moguravr.com/oculus-go-15/

また、Oculusが年に1回開催する開発者向け会議Oculus Connectでは、毎年カーマック氏自身が平場に顔を出し、開発者たちと語らったり、開発者たちのゲーム・アプリをプレイし、その場でレビューしてコメントするセッションも設けられています。

「少なくとも誰かが愛するものを作れ。」

以下のコメントは、2018年9月に開催されたOculus Connect5の1週間後となる2018年10月2日に、OculusのCTOジョン・カーマック氏がFacebookに投稿したコメントを、元Facebook Japanの井口健治氏が翻訳した文章を転載したものです。

私は先週Oculus Connectで、アプリレビュー・Startセッション・そして廊下での会話などで、開発者たちにアドバイスを送ることに時間を割いていた。

これを始めてからというもの、大多数のモバイルVRタイトルに対する私の反応は、比較的単純なクオリティやデザイン上の問題点が対処されていない、というものだ。
そういった点の多くはチェックリストで列挙できるようなもので、これまで書いた色々なアプリレビューの中でも指摘してきた。

一方で、そういったチェックリスト項目を全部埋めたとしても、適切に実装されてはいるが魂がこもっていないゲームができてしまうこともありうる。

特定の枠を埋める事を目的として作られたゲームをよく見かける。「FPS」、「戦略シミュレーション」、「パズルゲーム」、「宇宙ものゲーム」、「ジェットコースター」などなど。

ゲーム開発において反復練習はスキルセットを育てるために重要で、大きなものを作るまでの道のりの中で必要なステップだ。だが、時間と労力を注ぎ込んだプロジェクトが市場の中であっさり消えてしまっても驚くべきではない。

練習をするのであれば、自分の得られる経験値を最大化できるように戦略を計画・最適化し、ほどほどの価値を持つものを作れるようにしつつ、リターンをあまり期待せずにいるのが良い。インパクトを残したいのなら、私が考える最も重要なアドバイスは:

少なくとも誰かが愛するものを作れ。

ゲームは好みの問題だが、人によって趣味は大きく異なる。全ての人が素晴らしいと思うものを掘り当てる事は考えにくい。誰かが、例えそれがほんの少しの人たちであっても、熱狂できるほどのものを作れるといい。もし多くの人からゴミだと思われていたとしても、それは育てていける核として、広くからまあまあと思われるようなものよりも優れている。

例えば、私は「Daedalus」や「Thumper」を支持できる。「Bait」や「Pet Lab」は個人的に趣味ではないが、大好きだという人たちを知っているし、あれらには明らかに見るべきものがある。一方で、1人のユーザーからも心の底からの支持を得られていないゲームというのも、ストアに何百本とあるだろう。

使うものと愛せるものの違いは、エンジニアリングとデザイン両方の細部に宿る。
社内で、「ディライト」(喜び)という概念について、険悪になりそうなほど激しく議論した事がある。私はアプリケーションはまず機能的であることが第一だと思う。ディライトは長続きしないし、機能の効率性を犠牲にすることがあるからだ。一方、ゲームは違う。多くのものは、ディライトに満ちたインタラクションの連続として本質的にとらえることができる。

プレイヤーがプレイする様子をとても注意深く観察するといい。微笑み、笑顔、歓声、あるいは強く集中している表情があったら、それは追いかけるべきシグナルだ。デザインのひらめきはスタート地点となるかもしれないが、最高のバージョンへ上り詰めるために必要なのは、改良を繰り返す懸命な努力だ。

少しでも真のファンがいるのなら、プロジェクトの火を灯し続けるべきだ!VRはまだ若く、あなたのゲームのプレイヤーに潜在的になりうる人達の大多数は、まだヘッドセットを買おうと思った事すら無い。「Land’s End」は3年前にも素晴らしい体験だったが、今でも素晴らしい体験であることに変わりはない。

これは失敗しやすい。以前のOculus Arcadeプロジェクトに追加したいものがあったが、必要なサポートライブラリが揃った状態でアーカイブされていなかったため、現在のシステムでビルドが通るようにしようとしてうまくいかず、半日無駄にした事もある。



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