Home » ギミックやモデルウォークからも世界観がにじみ出ていた「アバターアワード 2024」


業界動向 2024.12.12

ギミックやモデルウォークからも世界観がにじみ出ていた「アバターアワード 2024」

毎年恒例となりました大人気企画、一般社団法人VRMコンソーシアムが主催、XR Kaigi 2024が共催となる「アバターアワード 2024」が今年も開催されました。

アバター文化の振興とクリエイターの社会的認知度向上を目的に、一般公募でVRMアバターを募集し、キャラクター性・ファッション性・先進性を基準に優れた作品を表彰する本アワード。今回は、9月26日から10月27日までの間に応募されたアバターの中から選ばれた「アバター部門」ファイナリスト12体に加え、アバターならではの活動風景を評価する「アバターライフ部門」ファイナリスト2体が発表されます。

12月12日・13日開催の「XR Kaigi 2024」エキスポエリアのVRMコンソーシアムブースに設置した ソニーの空間再現ディスプレイELF-SR2で、ランウェイの様子を立体的に見ることができるので、アバター表現に興味をお持ちの方は会場までお越しください。

審査員はKEITA MARUYAMA、K.M Design Studioを率いるファッションデザイナー、丸山敬太さん。

コンデナスト・ジャパンで『VOGUE GIRL』の創刊と運営に携わり、現在は映画やNetflixドラマのファッションスーパーバイザーとしても活躍する軍地彩弓さん。

元・電撃文庫編集長で「ソードアート・オンライン」、「魔法科高校の劣等生」、「とある魔術の禁書目録」を手掛けてきたライトノベル編集者の三木一馬さんです。

微に入り細を穿つを感じさせた素晴らしい受賞作

最初にアワード受賞作品からご紹介しましょう。アバター部門の優秀賞は、「桜梅桃李」(クリエイター・はむこ先生さん)、「白百合」(クリエイター・sologuisanさん)、「一夜とわ子」(クリエイター・フィヤン子さん)です。おめでとうございます。


「この3作品に言えることは全部、本当に仕事が細かく、一つ一つのディティールに隙がないと言うんですけど、はむこ先生のアバターに関しては、着物を新たにアレンジして作っていくものって、結構世の中にいろいろあるんですけど、やっぱりアバターじゃないと出せないようなディティール感を徹底的に作られている。なおかつ可愛いっていうのがポイントでした」(丸山敬太さん)

「改めて、おしゃれなの。おしゃれって簡単に言うと、すごい感じがしちゃうのかもしれないですけど、本当にすごくモードな入り口で挑戦されていて、その完成度の高さとスタイリッシュさというのがすばらしいです」(丸山敬太さん)

「月下美人という、一晩しか咲かない花、すごく香りの強い花なんですけれども、本当にその花に宿っているというのかな、ユードみたいなものを徹底的に作り上げているっていうのが、僕はすごく、本当に素晴らしい作品だったと思います」(丸山敬太さん)

アバター部門大賞は「REIRO_14th リインカーネーショナーズ ミゼリコルデ・オーバード」(クリエイター・REIRO_MC no151 VBC CLIさん)です! おめでとうございます!


「すべてにおいてアバターの表現から、演出から、世界観から、すべてがこもった作品だと思っています。REIROさんの作品の中でも最高峰のものが出たんだなと思っています。私が好きだったのは足の表現です。ちょっと見えてないんですけど、その透けた足の、まるで鉄板の先に靴を履いているようなものだったり、芸術世界では考えられない想像の先の想像力というのが生きている方だと思いました。何か私たちは、新たな神を見たというか、神様が降臨したらこんなふうな形で私たちの目の前に現れるんじゃないかと、ちょっと大げさかもしれないんですけれども、そこまで思わないといけないと感じました。ここまで来たんだ、時代は、というふうに思えた作品で、なのですごく、今回、おめでとうございます。素晴らしい作品です」(軍地彩弓さん)

そして「アバターライフ部門」の入賞作は、「雑談会」(投稿者・かみりんっ!さん)です。こちらは
Xハッシュタグ「#AvatarAward2024」、「#AvatarLife2024」で投票された作品から選出されたアバターとともにある時間や景観を表彰するもので、審査コメントは「VRの中に秘められた広大な世界と、そこで過ごす仲間とのかけがえのない時間を思い出させてくれる特別な一枚です」だったそうです。

「アバターライフ部門」の大賞は、「ききょうぱんだもどき」(投稿者・ききょうぱんださん)です。おめでとうございます。「一番思った写真がこれでした」という審査コメントが寄せられました。

他の作品も力作ばかりだったアバターアワード2024

惜しくも入賞を逃したファイナリストのアバターも素晴らしいものばかりです。ここでご紹介させてください。

「サイバネティック着物」(クリエイター・nonotumoriさん)

「このサイバーなムードの中に、和の部分とかアイドル的なカルチャーみたいなものをミックスされていて、すごくポップでかっこいい仕上がりになっているかなと思います」(丸山敬太さん)

「白猫のラルフローレン」(投稿者・河地りんさん&黒猫洋品店/キャラクターデザイン・河地りんさん/メインモデラー・クロイニャンさん/サブモデラー・山猫さん)

「僕らのカルチャーからすると、オールドスタイリッシュでも良いじゃないかっていうものが詰まっていると思っています。一番良かったのは、おっぱいが揺れてるところですね。歩いてるときに。すごく大胆に揺れてましたもんね。はい。真正面からの可愛さ、こういうところが僕はこのアバターとして素敵だなと思いました」(三木一馬さん)

「亜麻色の髪の饗宴」(クリエイター・REIRO_MC no151 VBC CLIさん)

「本当に作り込みが細かいんですよね。細かいなりに、裏にあるイメージ性というのがすごくある。ファッションとしていっても、すごく宇宙を感じさせるようなスカートのあり方だったりとか、細かな襟周りのディテールだったりとか、髪の描き方など、一つ一つが本当に繊細。本当に日本画を見ているみたいな、そういう美しさに位置していますね」(軍地彩弓さん)

「たまちゃん」(クリエイター・Shimami萬家さん)

「アバターって。自分が普段着れないようなファッションができるというのもすごい利点の一つだと思っています。アバターだと試しに着てみようかなとか、トライアルなファッションを着てみようかなとか、チャレンジすることができるというところも含めて、僕はこういうアバターがあるといいなって思いました」(三木一馬さん)

「AIスカル」(クリエイター・HONEMARUさん)

「この等身のバランスとか、指の長さとか、これはAIロボットのライブだと。デザインがすごい素晴らしくて、どこかファニーな感じも含めてチャーミングな作品だなと思ったので、選ばさせていただきました」(丸山敬太さん)

「妃白-Hishiro-」(投稿者・大丸・松坂屋アバター販売公式/制作・株式会社V/デザインイラスト・氷室さん/モデリング・ラディカさん、(仮)さん)

「すごくアジア的なファッション、ベトナムの青彩とかそういうものを思わせるようなデザインなんだけれども、いろんなアジアの要素をミックスしていますね。例えばアバターの世界で中間色、淡い色を使うのって珍しいんですけれども、日本の杉を流したみたいなデザインで、こういったいろいろなカルチャーのことを勉強されている。このまま現実で生み出したら売れちゃうんじゃないかなって。本質的な背景と売れそうな、 両方合わせて評価させていただきました」(軍地彩弓さん)

「深淵の白き魔女」(クリエイター・魔女ヒナミィさん)

「造形でもすごく惹かれたんですけど、マリアン・カーネット感もありながら、シャープなデザインでレース感を仕上げる。こういったディテールが本当に美しくできているので、世界観もそうなんですけれども、ファッションとして見ていられる、歴史的なフランスのイメージだったりとか、そういうものを装備させてくれるような作品だったので、すごくいいなと思いました」(軍地彩弓さん)

「崩穣神フコクノカミ」(クリエイター・SYUNさん)

「いや、これはね、アバターも好きだし、ゲームも好きな人に刺さるなと思いました。伝統を作ろうという意気込みがすごいことと、アバターのランウェイの振る舞いがいい。レイドボスのような歩き方。モンスターを倒す側ではなくて、自分でレイドボスになりきる側で表現されたというのが、他のアバターとは一歩違う個性があったなと思いました」(三木一馬さん)


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード