韓国のスマートフォン向けアプリ「ZEPETO」を運営するNaver Zは、INHOPEと提携した旨を発表しました。INHOPEは児童性的虐待を含むコンテンツを迅速に特定・削除することをミッションとする組織です。本提携を通して、「ZEPETO」は若年層にとってより安全なバーチャル空間を目指します。
若いユーザーに人気のメタバースアプリ「ZEPETO」
Naver Zは韓国NAVERの子会社であり、「ZEPETO(ゼペット)」を運営しています。「ZEPETO」はスマートフォンで簡単に3Dアバターを作って遊べるアプリです。様々なバーチャル空間に遊びに行けるため、若者に人気のメタバースとしても認識されています。
Naver Zによると、11月時点で登録ユーザーは3億4,000万人以上、月間ユーザー数は約2,000万人に及びます。女性ユーザー率が高いことでも知られ、運営するNaver Zは、ユーザーの95%以上が韓国以外のミレニアル世代とZ世代であると発表しています。
一方のINHOPEは、オンライン児童性的虐待コンテンツ(CSAM:Child Sexual Abuse Material)を特定し削除することを目的とした会員制組織です。オランダに拠点を置き、EU加盟国、ロシア、南アフリカ、北南米、アジア、オーストラリア、ニュージーランドなど、46カ国で活動。Google、Meta、TikTok、InterpolなどがINHOPEの公式スポンサーであり、欧州委員会からの資金援助も受けています。
犯罪を未然に防ぐ取り組みを強化
Naver Zは、INHOPEとの提携に際し「CSAM(児童性的虐待コンテンツ)が持つ問題の重要性への認識を高め、ユーザーが助けを求めたり疑わしいコンテンツを報告したりするための手段を拡大していく」とコメント。「ZEPETO」での監視技術強化や、ユーザーが利用できる通報ホットラインの開発を発表しています。
韓国では、バーチャル空間に起因する性的虐待事件が複数報告され社会問題となっています。Naver Zは、これまでにもTech Coalition、ConnectSafely、TSPA(Trust and Safety Professional Association)といったオンラインでの安全を目指す団体と提携し、未成年者に対する性犯罪の防止に取り組んできました。若いユーザーに人気がある「ZEPETO」にとって、さらにCSAM対策を強化し安全性を確保することは急務となっています。