ゼニマックス・メディアが、Facebookとの訴訟の終結を宣言しました。
ゼニマックス・メディアは、TESやFalloutシリーズを制作するベセスダ・ソフトワークスや、「DOOM」シリーズを制作するイド・ソフトウェアの親会社です。ゼニマックス・メディアとFacebookは2014年から数年間に渡り、VR技術の知的財産権を巡り裁判を続けていました。
4年越しの争い
今回終了が宣言されたのは、ゼニマックス・メディアとFacebookの間で行われていた、知的財産権侵害に関する訴訟です。
2014年、ゼニマックス・メディアはFacebook(当時はOculus)を、知的財産権の侵害で訴えました。イド・ソフトウェアの創業者で、Oculusの最高技術責任者(CTO)ジョン・D・カーマック氏が、Oculusへの移籍後も当時開発したVR技術ツールを使用しておりそれが知的財産権の侵害にあたる、とゼニマックス・メディアは主張しました。
本件の第1審はテキサス州北部地区連邦地方裁判所で行われ、判決はFacebookの敗訴となりました。判決により、Facebookは、ゼニマックス・メディアに対し5億ドル(約550億円)の賠償金の支払いを命じられました。Facebookはこの判決を不服とし、上告を行いました。賠償金は、その後半額の2億5千万ドル(約275億円)に減額されました。
もう1つの訴訟問題
知的財産権に関する訴訟と並行し、2017年3月に第2の裁判が始まりました。この訴訟は、先の裁判で問題となった人物、ジョン・D・カーマック氏が起こしました。カーマック氏は、自身が創業したイド・ソフトウェアがゼニマックス・メディアに買収される際、ゼニマックス・メディアから買収金が支払われなかったと訴訟を提起しました。カーマック氏は未払い金として、2,250万ドル(約25億円)を請求しました。
カーマック氏が起こした未払い金の裁判は、今回のゼニマックス・メディアとFacebookの知的財産権侵害に関する裁判の終了に先立ち、2018年10月にゼニマックス・メディアが、買収金をカーマック氏に支払う形で終了しています。
双方のコメント
今回のゼニマックス・メディアとFacebookの知的財産権侵害を巡る裁判が終了したことについて、OculusのスポークスマンのTera Randall氏は「我々は過去を水に流し、VRの未来を(共に)築いていきます」とコメントしています。
ゼニマックス・メディアの最高経営責任者(CEO)Robert Altman氏も声明を発表しています。Altman氏は、今回の訴訟の終了について「お互いに満足いく結果に落ち着き、満足しています」と語りました。
(参考)UploadVR