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業界動向 2019.03.24

注目を集めていたVRシューターが開発中止 原因は資金繰り?

2014年から開発が続けられていたマルチプレイヤー型VR向けFPSゲーム「World Wars Toons」の開発中止が明らかになりました。開発元であるStudio Roqovan(旧Reload Studios)によると、「World Wars Toons」の開発中止と同時に、スタジオ自体の閉鎖も決定したとのことです。

「World Wars Toons」は、Oculus RiftやPlayStation VR(以下、PSVR)などの主要なVRヘッドセット向けに開発が進められていました。

「World Wars Toons」は、2016年にオープンβ版が北米のPlayStation Storeでリリースされたものの、その後2017年9月にストアから削除されました。当時Studio Roqovanは、削除の理由を「VR版と非VR版のゲームプレイを両立させることが難しくなってたため」と説明していました。

閉鎖理由の詳細は明かされず

2019年3月現在、Studio Roqovanが閉鎖となった理由は公式には発表されていません。同スタジオのCEO、James Chung氏はVRメディアUploadVRとメールを介したやり取りを行っており、その中で、閉鎖の理由について以下のように説明しました。

「成長するVR市場に適応できなかったこと。そして私自身の力不足が原因です。「World War Toons」を正式リリースするための資金集めに失敗し、Live Ops(※)も十分に行えませんでした

(※Live Ops:新コンテンツの追加やゲーム内イベント開催などの行為を指す言葉)

Chung氏はまた、PSVR版「World War Toons」についても説明を行っています。

「(PSVR版のリリースは)テストとネットワーク問題の確認が目的でした。そのために北米という限られた地域でリリースを行ったのです」「(PSVR版の)ダウンロード回数は良好で、我々はより洗練されたバージョンの開発も進めていました。しかし、先述した資金集めの失敗によって頓挫してしまいました」

Studio Roqovanの閉鎖に伴い、「World War Toons」のIP(知的財産権)は新しい企業へと移転します。IPを受け取る企業の詳細や、その他の資産の扱いなどは2019年3月現在、判明していません。

Studio Roqovanの歩み

Studio RoqovanはFPSゲーム「Call of Duty」シリーズの元開発者James Chung氏とTaehoon Oh氏が中心となり、2014年に創立されたスタジオです。同スタジオは2015年6月には200万ドル(約2億円)を、同年10月には400万ドル(約4億4千万円)を資金調達しました。

Studio RoqovanはVRゲーム以外のコンテンツ開発も行っていました。2015年9月に創設された、BtoBのクライアント向けにサービスを行う部門は、VR内に美術館を制作するプロジェクトなどを手掛けていました。

(参考)UploadVR


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