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トレーニング・研修 2019.08.23

ウォルマートCEO、銃乱射事件に対するVR訓練の有用性を認める

2019年8月、アメリカのテキサス州エルパソで発生した銃乱射事件では、20名以上の命が奪われました。この事件では、VRが人命を救う手助けとなった可能性があります。

事件現場の一つとなったウォルマートは、多くの店舗で従業員へのVRトレーニングを取り入れています。同社CEOのDoug McMillon氏は緊急事態におけるVRトレーニングの効果についてコメントし、図らずもその有用性を示した形となりました。

「スタッフ全員がその有用性を認めた」CEOがコメント

McMillon氏によれば、同社のトレーニングプログラムであるウォルマートアカデミーには「銃撃事件に対処するためのVRトレーニング」が行われており、エルパソのマネジメントチームにとって今回の事件に対応するためにも有用だったとのこと。

McMillon氏は「エルパソのマネジメントチームは迅速に、ほかのスタッフとも連携して対処しました。救われた命がある事にわれわれの誰もが自信を持っており、その事実を称賛しています」とフォーチュン誌のインタビューで語り、銃乱射事件への自社の対応を支持する姿勢を示しました。

また、銃乱射事件後の経緯について、McMillon CEOは自身はサウスヘイブンにいたとしており、火曜日にエルパソへ行ったと解説。「マネジメントチームやスタッフの一人ひとりと話し、全員がその中で訓練の有効性を認めていた」と話しています。

VRトレーニングに力を入れる、図らずも効果

ウォルマートはかねてから、VRでの教育訓練を提供するSTRIVR社とVRトレーニングプラットフォームを開発しており、自社の訓練プログラムにも取り入れてきました。定常業務においてはカスタマーサービスやブラックフライデーの準備のための訓練などが設けられており、100万人に上る従業員にVRトレーニングが提供されています。

同社は2018年、VRヘッドセットOculus Goを、17,000個、アメリカ全土にある4,700店舗に配備。VRトレーニングの環境の整備を進めてきました。今回の銃乱射事件への対応は、その成果の一つとなった様子です。

緊急事態想定のVRトレーニング、NY市警も導入

VRを活用した訓練・トレーニングは、銃撃事件の対処についてもさまざまな場面で取り入れられつつあります。2019年にはニューヨーク市警察もVRトレーニングを導入、対テロ部門の数百人が仮想世界でさまざまな銃撃や人質事件の訓練を受けており、緊急事態への対処を学ぶためのVR活用が進んでいます。

(参考)VRScout


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