市場分析グループのJuniper Researchは、2021年にVRハードウェア市場が500億ドル規模になるという調査報告を発表しました。
2021年にはコンソールVRが台頭か
10月13日に発売となるPlayStation VR(PSVR)は、VR市場をより広げる引き金となる、と調査報告では主張しています。今回の調査でVRハードウェアに含まれるのは、VRヘッドセットに加え、周辺機器、そして360度カメラ。Juniperは今年時点のVRハード売上でも、50億ドル規模に達すると見込んでいます。
また、Oculus RiftやHTC Viveといった8~10万円のPC向けVR機器と比べ、PSVRは5万円弱と低価格。VRの大衆化に大きく貢献することが期待できます。
Juniperは、PSVRなどコンソール機のVRはGoogle Daydreamを含めたモバイルVRより高精細ながら、PC向けハイエンドVRより手頃な価格帯であり、消費者にとってちょうどいい水準だとしています。
調査では、2021年のVRハードウェア売上において、コンソールVRはその全体のおよそ50%を占めると予想しています。
コンソールVRに期待されるAAAタイトル
またコンソールVRにはPC向けVRと比べて、開発者や販売会社が価格設定に悩まなくてよいというメリットもあります。
今回のレポートを書いたJoe Crabtree氏は、以下のように説明しています。
「人気のあるVRタイトルのポイントとして、初期の価格からものによっては半額以下に値下げするなど、AAAタイトルと比べて低価格なタイトルが多く見られます。
PC向けVRハードウェアがリリースされてから数ヶ月の間で、消費者は安く、より手軽な体験を求めているという傾向が見えてきました。
AAAタイトルを開発する企業にとっては、PCでのリリースには高い値段をつけにくいという枷があるのです。一方、従来のコンソール市場でなら、堂々とフルプライスのゲームを売り出していくことができます」
これはある意味、開発者には嬉しい知らせですが、ユーザーにとっては財布が気になる情報かも知れません。
とはいえVRのAAAタイトルこそ、ゲーマーたちが真に求めているものとも言えます。
10月13日にPSVRが発売され、11月にはDaydreamが発売されて、第一世代ともいうべきVRヘッドマウントディスプレイが出揃います。VRゲームはどのように進化していくのか。5年、10年後のハードウェアの成長からも、目が離せません。
(参考)
UploadVR / Juniper Research: VR Hardware Market Will Be Worth $50 Billion in 5 Years(英語)
http://uploadvr.com/juniper-research-vr-hardware-50-billion/
※Mogura VRはUploadVRのパートナーメディアです。