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活用事例 2017.08.07

イスラエルのVRエンタメ企業Inception、約17億円の資金調達

VRコンテンツ制作、ストリーミング配信企業であるInceptionが、同社の資金調達においてシリーズAラウンドを終了し、1500万ドル(約16億6,000万円)を調達しました。同社は今回調達した資金をもとに同社が展開するプラットフォームを拡大、コンテンツのカタログを充実させるとのことです。

Inceptionについて

イスラエルのテルアビブを拠点にするInceptionは2016年にスタートし、同社のアプリにおいて様々なVRコンテンツの配信を手がけてきました。現在はOculus RiftやHTC VIveにも対応し、PlayStation VR向けの配信を準備中です。

同社はこれまでにも雑誌Time Outやオンライン音楽配信サービスBoiler Roomなどと提携してオリジナルのVRコンテンツを制作しており、最近ではシュールレアリズムの画家、サルバドール・ダリの世界観をVR化した『Dreams of Dali』や、Pitchfolkとの提携によりVRを活用した音楽チャンネルなども展開しています。

同社は最新技術を用いたストリーミング配信を強みとしており、立体音響やアダプティブ・ビットレート(=コンテンツの画質を視聴者の環境に応じて配信側が最適に設定すること)でのストリーミングに対応しており、もしくはコンテンツの製作者が作品がどのように視聴されたかを分析することも可能です。

ヨーロッパの大手メディア、RTLグループと提携

プレスリリースによると、同社は今後RTLグループと提携してコンテンツを配信していくとのことで、両者が保有する次世代コンテンツや技術を活かして、インタラクティブで質の高い消費者体験を提供するとのことです。

RTLグループはヨーロッパ最大のメディア複合企業であり、全世界で59のテレビチャンネルと31のラジオ局を展開、また、オンライン動画配信においてもヨーロッパでは先駆的な存在です。今回のInceptionの資金調達においても主導的な役割を果たし、同社の株式の15%を所有しています。

InceptionのCEOであるBenny Arbel氏は今回の提携によって「VRコンテンツがより見やすく、楽しいものになる」としており、またRTLグループの事業開発担当副社長兼グループシナジーであるChristos Schizas氏は、VRが今後コンテンツ事業において主流になる技術であり、VRコンテンツ事業に参入することは「きわめて自然なこと」と語っています。

最近はVRストリーミング企業がオリジナルコンテンツを制作するようになり、先日はNextVRが制作したVRリアリティ番組『Paranormal Evidence』が登場しました。NextVRも制作と配信プラットフォームを手がける企業です。

(参考)
Road to VR / Inception Raises $15 Million Series A Funding Led By EU Media Conglomerate RTL Group(英語)
https://www.roadtovr.com/inception-raises-15-million-series-funding-led-eu-media-conglomerate-rtl-group/

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